81 / 109
人は変わらない。
紐の先は。
しおりを挟む
高飛車侍女をナンパしてた宿の従業員は、ちょっと気のきいた、雰囲気的には色男だとか。
「今まで女落として情報得たり、いろいろしてたところを紐の先端に見込まれて、とりあえずはフェル嬢の情報を……と、適当な侍女に声かけてたんだと。情報集める前に、女に興味無くなったみたいだがな」
ハイドさん……。
無くしたの、アンタのせいじゃ?
楽しげなんだが、それ、笑い事なのか。
なんとなく、じとん、とした目でハイドさんを見る私だった。
「個人の性癖にまで口出しする気は無いですが……女好きな人を宗旨変えさせるとか」
やり過ぎでしょう、とナルさんが呆れた口調でボヤいた。
ハイドさんは、私らのジト目を華麗にスルーして、さらりと暴露した。
「あの小僧の紐の先端な。公国の第二公子でな」
ものすごく有益っポい侯爵令嬢が、公国にやってくる。
上手い事手駒に出来れば、次代の公王は自分だ……とかナンとか。
「つまり、やる事はハニトラ部隊と同じ。ただ国の為にフェル嬢が欲しいハニトラ部隊と、個人的に利用したい第二公子って、今公国は二つに割れて……は、ないな。第二公子は、国に内緒て動いてるそうだし」
うわ。
予想された話だが、聞かなきゃ良かった。
だから国に関わりたくなかったんだよ。
知っちゃったら、対処しないワケにはいかないじゃないか。
うん。
メンドい。
ゲンナリした私だ。
「今まで女落として情報得たり、いろいろしてたところを紐の先端に見込まれて、とりあえずはフェル嬢の情報を……と、適当な侍女に声かけてたんだと。情報集める前に、女に興味無くなったみたいだがな」
ハイドさん……。
無くしたの、アンタのせいじゃ?
楽しげなんだが、それ、笑い事なのか。
なんとなく、じとん、とした目でハイドさんを見る私だった。
「個人の性癖にまで口出しする気は無いですが……女好きな人を宗旨変えさせるとか」
やり過ぎでしょう、とナルさんが呆れた口調でボヤいた。
ハイドさんは、私らのジト目を華麗にスルーして、さらりと暴露した。
「あの小僧の紐の先端な。公国の第二公子でな」
ものすごく有益っポい侯爵令嬢が、公国にやってくる。
上手い事手駒に出来れば、次代の公王は自分だ……とかナンとか。
「つまり、やる事はハニトラ部隊と同じ。ただ国の為にフェル嬢が欲しいハニトラ部隊と、個人的に利用したい第二公子って、今公国は二つに割れて……は、ないな。第二公子は、国に内緒て動いてるそうだし」
うわ。
予想された話だが、聞かなきゃ良かった。
だから国に関わりたくなかったんだよ。
知っちゃったら、対処しないワケにはいかないじゃないか。
うん。
メンドい。
ゲンナリした私だ。
55
あなたにおすすめの小説
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
【完結】かなわぬ夢を見て
ここ
ファンタジー
ルーディは孤児だったが、生まれてすぐに伯爵家の養女になることになった。だから、自分が孤児だと知らなかった。だが、伯爵夫妻に子どもが生まれると、ルーディは捨てられてしまった。そんなルーディが幸せになるために必死に生きる物語。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる