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中央
ファランギル辺境伯別邸
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アタマのオカシな女は華麗にスルーして。
「……ま! お兄様待って!」
道端でナニヤラ叫んでたが、知らん。
野次馬に囲まれる前に、その場を離れた。
見世物なら道にへたり込んだ女がいるから、喚くサマでも好きなだけ観察すれば?
で。
ファランギル辺境伯の別邸。
と、ゆーか、中央での拠点、とゆーか。
中央のいわゆる貴族街、とざっくり区分された一角にこっそり建っている。
悪目立ちしないように中央風の建物だが、中身は辺境風の……。
や、応接室は中央の作りだぞ?
貴族連中は、椅子とテーブルが無きゃどーしていいか解らんようだし。
辺境は、床に敷物しいての暮らしだし。
「お戻りなさいませ、若様方」
出迎えたのは、初老の……いいカンジに枯れた老紳士。
この別邸を預かる家宰のエリオット・カナンだ。
一説によると、ファランギル家がこの貴族街に別邸を構えた後、周囲から不審人物が姿を消した、とか二度と陽のあたる場所に出て来られなくなった、とかナンとか……。
そんな話を聞いて、義兄がエリオットに追及すると、エリオットはいい笑顔で。
「キリアン様? この世には知らなくても良い事がございますよ?」
う……。
「キリト様のように、知らぬふりをなさる事も重要かと……」
……。
要らんコト言わなくてよかった……。
「……ま! お兄様待って!」
道端でナニヤラ叫んでたが、知らん。
野次馬に囲まれる前に、その場を離れた。
見世物なら道にへたり込んだ女がいるから、喚くサマでも好きなだけ観察すれば?
で。
ファランギル辺境伯の別邸。
と、ゆーか、中央での拠点、とゆーか。
中央のいわゆる貴族街、とざっくり区分された一角にこっそり建っている。
悪目立ちしないように中央風の建物だが、中身は辺境風の……。
や、応接室は中央の作りだぞ?
貴族連中は、椅子とテーブルが無きゃどーしていいか解らんようだし。
辺境は、床に敷物しいての暮らしだし。
「お戻りなさいませ、若様方」
出迎えたのは、初老の……いいカンジに枯れた老紳士。
この別邸を預かる家宰のエリオット・カナンだ。
一説によると、ファランギル家がこの貴族街に別邸を構えた後、周囲から不審人物が姿を消した、とか二度と陽のあたる場所に出て来られなくなった、とかナンとか……。
そんな話を聞いて、義兄がエリオットに追及すると、エリオットはいい笑顔で。
「キリアン様? この世には知らなくても良い事がございますよ?」
う……。
「キリト様のように、知らぬふりをなさる事も重要かと……」
……。
要らんコト言わなくてよかった……。
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