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ゴマかしきって、日常へ。
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俺のバイト先の所長、天堂さんが持ってきたのは、開発中のゲームの資料だった。
……何でそれを俺に見せる? と、頭の中が ? でいっぱいになってたら。
悪い大人が悪だくみしてやがる。
「おー、説得済んだのか?」
「やだな。説得なんかしてないよ。納得してもらっただけだよ」
親父の言葉に、にっこり笑顔でホザいた天堂さん。
……笑ってナンとかしよーとするあたり、誰かを彷彿とさせるんだけど。
敢えてスルーの方向で。
天堂さんは、いつの間にやら椅子を引っ張ってきて。
ベッド脇に座り込んで親父と話してる。
ちょっと遠い目になってるうちに、悪い大人の話は続いていて。
「どんな納得のさせ方したんだか。お前、相手は一般人なんだぞ? しかもガキだ。息子の友人知人に、妙なモン仕込んだり……」
「してないって。ちょーっと素直に話を聞いてくれるように、そーゆーお香をたいてただけだよ」
「おい。してるじゃねぇかよ。おかしな後遺症とか出たら、どうすんだよ」
「えー。今までそんなことなかったじゃないか。大丈夫だって。その場に居たのは、僕らだけじゃないんだし。……まぁ、香をたいて、意識誘導したくらいだよ。その場に零治も居たしね。……素直な良い子達だね。僕らはもう関わらない方が、彼らの為になるな……って考えちゃうくらいに、さ」
零治って、誰だっけ?
どっかで聞いた気がするけど。
……まぁ、いいや。
それよりも。
「だーかーらー、スズ……和樹達はどーしたんだって話ですよ」
あと、俺、いつまで頭クラクラしてるんだろーか。
悪い大人の悪ふざけ、を終わらせた天堂さんが言うことにゃ。
土日一泊泊まり込み、で新規VRMMOテスターをやってもらった。
ゲームはRPG系で、剣と魔法の世界を旅したり、戦闘したり、生産したり……。
ある程度、自由度の高いゲーム、だそーで。
ベータ版で公表する前に、予備知識の無い、清々しいまでの一般人に試して欲しい。
そーゆー触れ込みで、バイトしてもらった。
ゲーム完成の暁には、ベータ版をプレゼントだ。
もちろん、バイト代は別。
ちゃんと支払われた。
ちなみに、副会長は会長の紹介で。
和樹は俺が引っ張り込んだ……ってコトになってるそーだ。
「ゲームは本当に作ってるよ。丁度良いから、君らが行ってた世界の世界観、ぶっ込むそうだよ。まぁ、細かく調整入れるそうだけど。例えば、異種族間の婚姻でもちゃんと子供は生まれる。ただし、父親か母親、どちらかの種族で生まれるとか。ご都合主義の、ハーフなんちゃらは、存在しないってさ」
いやそんなコト俺に言われても。
何か意見があるんなら、開発元に言ってくれ。
まぁとにかく。
そんなカンジで、俺らが拉致られてた間の記憶は、開発中のゲームのモノだ、と思考誘導して思い込ませて。
ナニゴトもなく円満に、バイト代手取りで払って、各自家に帰したそーだ。
「まぁ、しばらくの間……最低半年は観察しなきゃだけど。……大丈夫でしょ、多分」
天堂さんは、そー言ってお気楽に笑った。
誰が監視すんだよ? と親父がぶつくさ言ってた。
一夜明けて、月曜日。
ものすご~く違和感感じながら学校へ。
すっげ久しぶりな気がするけど……。
この感覚共有出来るのは、1人だけだな。
そーいや、零治って、ミヤさん……会長のコトだった。
校門近くで、和樹と合流。
つか、発見されて後ろから突撃されたワケだが。
和樹は朝から元気だった。
そしてゴキゲンだった。
「いや~、楽しみだな、あのゲーム!」
……ああ。
ナニゴトもなく日常に戻ってるのか。
俺も気をつけて、和樹のコト見ておこう。
副会長の方は、主に会長が見るんだろーし。
このまんま日常に流されてくれれば……。
「あ、副会長~! 昨日ぶりです!」
……って、和樹? ナニ大声出して……。
「あら、進藤君。紅林君も一緒なのね。……昨日はどうも。楽しかったわね」
副会長は、ニコニコしながら俺らの傍に来て。
「早く完成しないかしら。私、ゲームとか初めてだったんだけど。……最近のゲームって、凄いのねぇ」
校門前で、和樹と副会長が手に手を取って、きゃっきゃし始めた。
周囲の視線が痛い……。
救いは、この場に会長が居ないコトか。
「ここで僕だけ仲間外れとか、無いよね? ああ、はぎれっ子だったっけ?」
うーわー。
出た、会長。
とりあえず、周囲の視線が尋常じゃない鋭さを帯びてきて。
月曜の朝から浴びたい視線じゃねーわ。
会長は、親しげに俺の肩に腕を回して、和樹達に合流。
とたんに、副会長がくふくふ笑い出して。
それを和樹が生温かく見守り。
……気のせいじゃなく、確実に周囲の視線にもれなく腐ったモノが混じった。
副会長と腐愉快な仲間達が、粘度の高い視線を俺と、俺を抱え込んだ会長に向けてやがる。
和樹、助けろ。
「うん。ムリ!」
和樹は、いい笑顔でざっくり切り捨てやがった。
……これが、日常になるのか?
マジで?
誰か助けろ。
子供らを家に帰した後の、悪い大人の悪い会話。
「おい天堂」
「なんだよ祈り君」
「アイツらが持ち込んだ異世界グッズ、どーすんだよ」
「ん~……。とりあえずは封印。忘れた頃に、研究材料かな」
完。
コウ達が帰ったあとの、あっちの世界の話がもうちょっとだけ続いたり。
……何でそれを俺に見せる? と、頭の中が ? でいっぱいになってたら。
悪い大人が悪だくみしてやがる。
「おー、説得済んだのか?」
「やだな。説得なんかしてないよ。納得してもらっただけだよ」
親父の言葉に、にっこり笑顔でホザいた天堂さん。
……笑ってナンとかしよーとするあたり、誰かを彷彿とさせるんだけど。
敢えてスルーの方向で。
天堂さんは、いつの間にやら椅子を引っ張ってきて。
ベッド脇に座り込んで親父と話してる。
ちょっと遠い目になってるうちに、悪い大人の話は続いていて。
「どんな納得のさせ方したんだか。お前、相手は一般人なんだぞ? しかもガキだ。息子の友人知人に、妙なモン仕込んだり……」
「してないって。ちょーっと素直に話を聞いてくれるように、そーゆーお香をたいてただけだよ」
「おい。してるじゃねぇかよ。おかしな後遺症とか出たら、どうすんだよ」
「えー。今までそんなことなかったじゃないか。大丈夫だって。その場に居たのは、僕らだけじゃないんだし。……まぁ、香をたいて、意識誘導したくらいだよ。その場に零治も居たしね。……素直な良い子達だね。僕らはもう関わらない方が、彼らの為になるな……って考えちゃうくらいに、さ」
零治って、誰だっけ?
どっかで聞いた気がするけど。
……まぁ、いいや。
それよりも。
「だーかーらー、スズ……和樹達はどーしたんだって話ですよ」
あと、俺、いつまで頭クラクラしてるんだろーか。
悪い大人の悪ふざけ、を終わらせた天堂さんが言うことにゃ。
土日一泊泊まり込み、で新規VRMMOテスターをやってもらった。
ゲームはRPG系で、剣と魔法の世界を旅したり、戦闘したり、生産したり……。
ある程度、自由度の高いゲーム、だそーで。
ベータ版で公表する前に、予備知識の無い、清々しいまでの一般人に試して欲しい。
そーゆー触れ込みで、バイトしてもらった。
ゲーム完成の暁には、ベータ版をプレゼントだ。
もちろん、バイト代は別。
ちゃんと支払われた。
ちなみに、副会長は会長の紹介で。
和樹は俺が引っ張り込んだ……ってコトになってるそーだ。
「ゲームは本当に作ってるよ。丁度良いから、君らが行ってた世界の世界観、ぶっ込むそうだよ。まぁ、細かく調整入れるそうだけど。例えば、異種族間の婚姻でもちゃんと子供は生まれる。ただし、父親か母親、どちらかの種族で生まれるとか。ご都合主義の、ハーフなんちゃらは、存在しないってさ」
いやそんなコト俺に言われても。
何か意見があるんなら、開発元に言ってくれ。
まぁとにかく。
そんなカンジで、俺らが拉致られてた間の記憶は、開発中のゲームのモノだ、と思考誘導して思い込ませて。
ナニゴトもなく円満に、バイト代手取りで払って、各自家に帰したそーだ。
「まぁ、しばらくの間……最低半年は観察しなきゃだけど。……大丈夫でしょ、多分」
天堂さんは、そー言ってお気楽に笑った。
誰が監視すんだよ? と親父がぶつくさ言ってた。
一夜明けて、月曜日。
ものすご~く違和感感じながら学校へ。
すっげ久しぶりな気がするけど……。
この感覚共有出来るのは、1人だけだな。
そーいや、零治って、ミヤさん……会長のコトだった。
校門近くで、和樹と合流。
つか、発見されて後ろから突撃されたワケだが。
和樹は朝から元気だった。
そしてゴキゲンだった。
「いや~、楽しみだな、あのゲーム!」
……ああ。
ナニゴトもなく日常に戻ってるのか。
俺も気をつけて、和樹のコト見ておこう。
副会長の方は、主に会長が見るんだろーし。
このまんま日常に流されてくれれば……。
「あ、副会長~! 昨日ぶりです!」
……って、和樹? ナニ大声出して……。
「あら、進藤君。紅林君も一緒なのね。……昨日はどうも。楽しかったわね」
副会長は、ニコニコしながら俺らの傍に来て。
「早く完成しないかしら。私、ゲームとか初めてだったんだけど。……最近のゲームって、凄いのねぇ」
校門前で、和樹と副会長が手に手を取って、きゃっきゃし始めた。
周囲の視線が痛い……。
救いは、この場に会長が居ないコトか。
「ここで僕だけ仲間外れとか、無いよね? ああ、はぎれっ子だったっけ?」
うーわー。
出た、会長。
とりあえず、周囲の視線が尋常じゃない鋭さを帯びてきて。
月曜の朝から浴びたい視線じゃねーわ。
会長は、親しげに俺の肩に腕を回して、和樹達に合流。
とたんに、副会長がくふくふ笑い出して。
それを和樹が生温かく見守り。
……気のせいじゃなく、確実に周囲の視線にもれなく腐ったモノが混じった。
副会長と腐愉快な仲間達が、粘度の高い視線を俺と、俺を抱え込んだ会長に向けてやがる。
和樹、助けろ。
「うん。ムリ!」
和樹は、いい笑顔でざっくり切り捨てやがった。
……これが、日常になるのか?
マジで?
誰か助けろ。
子供らを家に帰した後の、悪い大人の悪い会話。
「おい天堂」
「なんだよ祈り君」
「アイツらが持ち込んだ異世界グッズ、どーすんだよ」
「ん~……。とりあえずは封印。忘れた頃に、研究材料かな」
完。
コウ達が帰ったあとの、あっちの世界の話がもうちょっとだけ続いたり。
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