目標:撤収

庭にハニワ

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本格的に、VSクラーケン。

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練りに練った魔素を左足に集中。
地属性魔法になるか?
まあ、細かいことは、どーでもいいや。
強く、一歩強く踏みしめた。
そこから浜辺の砂が一直線に凝固しつつ隆起していき……。
半ば地にめり込んだ形でクラーケンを取り込み、ちょっとした小山を形成した。
顔の……口のあたりまで埋まったクラーケンは、相変わらずつるで縛り上げられ、本体は固定されたままで。
……ついでだから、つるの方も強化しといた。
ちょっとしたナイロンザイルから、ワイヤーロープの強度に。
でも足はまだうごめいてるし、何を考えてんだかさっぱり分からない目はギョロリ、と周囲を睨み付けている。

魔法が効くかどーか、試してみるか?

光属性魔法でLEDやらレーザービームやらイメージして、と。
目からビーム、はちょっとアレなんで、クラーケンの目玉を指した指先から発射。
お、直撃したな。
とたんに、いわく言いがたい音……クラーケンの悲鳴か?
なんかギシギシ言ってるみたいな大きな音を発し、クラーケンは暴れ出した。
ぶん回す触腕とは別に、他の足はいまだにせっせとサメを掴んじゃぶん投げてるけど。
投げてくるサメの数は、かなり減ってきたよーだ。
今残ってて、もれなくぶん投げられてるサメは、やっぱどーしても多少……いや、それ以上か、流れ出てしまった血の匂いに狂った人食い系のサメばかりだ。
……ムダにデカいラブカとか上がってきてたら、地元民はシーサーペントだっ!とか叫んだんだろーか。
それはそれで見たかった。

じゃ、なくて。
どーやら魔法も効くらしいな、クラーケン。
結界無効化するのは、人魚だけか。
……そーいやムダに存在を主張する金メダルみたいな首飾り、つけてたなあの人魚。
アレか、結界無効化の魔法具。
……人魚にも、魔法は効いたかもしんないな。
試してないけど。

まあ、いーや。
クラーケンに魔法効くなら、やることは一つ。
とりあえず、氷結。

……あぁ、でも底力ってーの?凄ぇわ、クラーケン。
単に凍らせるだけの普通の氷結だったら、あっという間に破られる。
普通の氷結って何だよ。
……ってセルフで突っ込み入れてる場合じゃない。
んじゃ、更に魔力を練り上げて凝縮させて……。
イメージが大事だ、イメージが。

ぶん回されてる触手が邪魔だ。
ミヤさんどーぞご自由に。

「そう? じゃ、遠慮なく」

ミヤさんは、なんとなく嬉しそーに魔刃をふるいだした。
そーして、あっさりと足一本切り落とした。
奇声を発し、すっげーのたうつクラーケン。
ひょっとして、痛覚あるんだ?

小さくガッツポーズ取ったミヤさん。
うん。
あんたやっぱ脳筋……。

クラーケンは、完全にこっちをロックオンしてきた。
片方は白く濁り、使い物にならなくなったようだが。
まだ見えている方の目玉をギョロリとこっちに向けた。
そして、サメとか切り落とされた自分の足とか掴んでぶん投げてきた。

危ねーな。
とりあえず、障壁。
おー。
ぶつかるぶつかる。
ちょっと強く、硬めに展開した障壁に、がっつんがっつんぶつかるサメども。
あ、切断された足が長いまんまでべちゃあっ……って貼り付いて。
ずるずるずる……と滑ってずり落ちていった。

なんだろう。
妙にオカシかった。

って、それどころじゃねーわ、今。

さっき展開した地属性魔法に乗っける形で魔力を流していく。
いいカンジに溜まったところで、一気に氷結。
下の方……クラーケン的には顔か?
顔のあたりから、ゆっくりじわじわ凍っていく。
じわじわじわと、凍っていく。

しばらくして。
クラーケンの氷像が、完成した。

カッチーン……って。









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