青い花の里の物語

アンジュ・あんこ

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【第三話 アキの大切な友達】

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 僕の住んでいる里の学校はちょっとだけ変わっていて、生徒が少ないから、授業は年齢に関係無く、みんな一つのクラスで行なっていた。

 そして、先生も一人しかいないから、先生と一緒に、上級生が下級生に色々なことを教えていたんだ。

 その中でも、ソラくん、ミオちゃん、ユズちゃん、レイくん、そして幼馴染のミトは僕の大切な友達だった。

 ソラくんは僕の学校で一番年上で、この里で一番偉い里長のアオさんの子供なんだ。
 僕と同じ男の子で、小さな頃から、僕らはとても仲が良かった。
 ソラくんは僕よりもずっと背が高くてかっこよかった。
 そして、里長の子供として、村の大人たちからも一目おかれていたんだ。

 ミオちゃんは身体の小さな女の子。
 身体は小さいけど、とても頭が良くて、僕によく勉強を教えてくれた。
 僕より背は低かったけど、僕にとっては友達というよりも、お姉さんのような存在だった。
 ミオのお母さんはナギさん。実は、ソラのお母さんの次に偉い人なんだ。
 ナギさんは身体の小さなミオをいつも心配していて、学校にもよく顔を出していた。

 ユズちゃんはぽっちゃりとした女の子。
 力が強くて僕をよくからかってくる。
 でも、笑うと最高にかわいいんだ。
 だから僕はよくからかってくるユズちゃんに反撃して、逆に笑わせていた。

 レイくんは恥ずかしがり屋な男の子。
 僕を見ると顔が赤くなってしまう。
 でも、レイくんは、僕といるだけでとても楽しいと言ってくれた。
 僕もだよって手を繋いだら、さらに顔を真っ赤にしてはにかんでいたんだ。

 実はもう一人、僕には友達がいたんだ。
 名前はセラ。
 でも、セラくんはいつのまにかいなくなっていた。
 そして、大人たちも、最初から彼がいなかったものとして扱っていたんだ。
 実は僕は知っている。
 セラくんがいなくなる前に、青い花のつぼみを傷つけて、その汁を吸っていたことを。
 それを里の大人に見つかってから、彼はいなくなったんだ。
 セラくんがいなくなる前に、大人たちが、里の掟を破ったと言っていたのを僕は覚えている。
 僕たちは、大人になるまで、青い花に触ることを禁じられていたから、そのことだと思う。
 セラくんはきっと、罰として、里のどこかで反省させられているんだと思う。

 ソラのお母さんのアオさんは里長といって、この里で一番偉い人だったんだ。
 でも、里の大人たちは何故か、アオさんのことを恐れていた。
 息子のソラくんもだけど。
 そして、僕たちは、アオさんだけは絶対に怒らせてはいけないと、大人たちから厳しくいいつけられていた。
 でも、アオさんは僕にはいつも優しく接してくれた。
 よく、ソラくんを通して、僕はアオさんに家に来るように招待された。
 そして、僕はアオさんと色々な話をした。
 その時アオさんは、僕と二人だけで話すことを望んでいた。
 そして、何故かアオさんは哀しそうな顔をしていたんだ。

 そして、アオさんだけじゃなくて、集落の大人はみんなボクに優しく接してくれた。
 だから、やっぱり父さんの言う通り、僕は特別な存在だったのかもしれない。
 でも、僕と話をする時、何故アオさんが哀しそうな顔をするのか、僕はずっと気になっていた。
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