17 / 49
3 年上筋肉攻めのダイくんはヤキモチ焼き
9 やさしいんです
しおりを挟む
◆ ◆ ◆
いつの間にか眠っちゃったらしい。
目を開くとダイくんの顔が目の前にあった。遠くを見透かすような涼しい表情。ボクはうっとりと、見惚れてしまう。
「起きたか?」
彼は本をつまらなそうに眺めたまま、声をかけてくる。
「うん」
何もかも元通りだった。
ボクにはちゃんと服を着せてくれているし、寒くないようにお腹に毛布まで掛けてくれている。
「……声、いっぱい出しちゃった……。大丈夫だったかな?」
少しだけ喉がケホケホする。
「ん? まあ、大丈夫だろ」
「もし文句言われたらゴメンね」
「お前が気にすんじゃねぇよ。そんなもん」
「うん……」
ダイくんは本当に優しい。
彼とした後、物足りなかったり、不満だったことは今まで一回も無い。
強いて言うなら一つだけ。
「次は、もっとあったかいところでしたいな……」
「ああ。そうだな」
「約束ね」
「今度はユーラスとヤる前に来るってんのなら、約束してやるよ」
「ふふふっ」
こんなぶっきらぼうな感じでも、彼の優しさは誰よりも深いことをボクは知っている。
だからもう一回だけ――、
「ダイくん、好き」
と、ささやいた。
何度言ったって理解されないかもしれないけど、ボクは本当にユーラスくんと同じくらい、ダイくんのことも愛してる。
ボクは甘い蜜になって、たくさんの人をいっぱいいっぱい愛して、幸せにしてあげたい――。
「ダイくん……」
ボクはゆっくりと、彼の広い背中を抱きしめる。
「これからも、ずっとそばにいてね」
「当たり前だ」
急に男前を気取られるのがなんだか悔しくて、ボクはイタズラすることにした。彼の体をぎゅううっと抱きしめ、耳元めがけて、
「これからもいっぱい単位落としてね」
と、ささやいた。
「……っ!」
彼の顔はまるで沸騰したかのように真っ赤になる。
「オイっ! せっかくいい気分だってのに現実戻すなよな!」
「ひひひっ」
三年生のダイくんだけど、このままいけば、めでたく留年。
来年の春からはボクと同じ学年になります――。
いつの間にか眠っちゃったらしい。
目を開くとダイくんの顔が目の前にあった。遠くを見透かすような涼しい表情。ボクはうっとりと、見惚れてしまう。
「起きたか?」
彼は本をつまらなそうに眺めたまま、声をかけてくる。
「うん」
何もかも元通りだった。
ボクにはちゃんと服を着せてくれているし、寒くないようにお腹に毛布まで掛けてくれている。
「……声、いっぱい出しちゃった……。大丈夫だったかな?」
少しだけ喉がケホケホする。
「ん? まあ、大丈夫だろ」
「もし文句言われたらゴメンね」
「お前が気にすんじゃねぇよ。そんなもん」
「うん……」
ダイくんは本当に優しい。
彼とした後、物足りなかったり、不満だったことは今まで一回も無い。
強いて言うなら一つだけ。
「次は、もっとあったかいところでしたいな……」
「ああ。そうだな」
「約束ね」
「今度はユーラスとヤる前に来るってんのなら、約束してやるよ」
「ふふふっ」
こんなぶっきらぼうな感じでも、彼の優しさは誰よりも深いことをボクは知っている。
だからもう一回だけ――、
「ダイくん、好き」
と、ささやいた。
何度言ったって理解されないかもしれないけど、ボクは本当にユーラスくんと同じくらい、ダイくんのことも愛してる。
ボクは甘い蜜になって、たくさんの人をいっぱいいっぱい愛して、幸せにしてあげたい――。
「ダイくん……」
ボクはゆっくりと、彼の広い背中を抱きしめる。
「これからも、ずっとそばにいてね」
「当たり前だ」
急に男前を気取られるのがなんだか悔しくて、ボクはイタズラすることにした。彼の体をぎゅううっと抱きしめ、耳元めがけて、
「これからもいっぱい単位落としてね」
と、ささやいた。
「……っ!」
彼の顔はまるで沸騰したかのように真っ赤になる。
「オイっ! せっかくいい気分だってのに現実戻すなよな!」
「ひひひっ」
三年生のダイくんだけど、このままいけば、めでたく留年。
来年の春からはボクと同じ学年になります――。
応援ありがとうございます!
21
お気に入りに追加
219
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる