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 翌日になっても下半身には余韻が残っていた。
 足が地面に着くたびににぶい痛みを感じながら、よろよろと登校した朝。

 いつものように目を伏せながら教室に入った瞬間、だれかが僕の肩に腕を回した。
 肩をぎゅっと抱きしめられた瞬間、かぎ覚えのある、甘いバニラの香り。

 ハッとして顔をあげると、昨日と同じように大きな口を歪めてニタニタと笑う関口聖。


「……っ!?」


 別のクラスの彼がどうしてここにいるのだ。

 パニックのまま声すら出せないでいると、僕はあることに気づいた。
 すぐ目の前に、正座している人たちがいる。
 そいつらはみんな男で、半裸で、それぞれ鼻血を出したり、半べそをかいたり、目の上や両頬を真っ赤に腫らしている。

 いつも僕を殴りつけてくるクラスメートばかり──。
 
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