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・マママママフィア!(家族団らん)
おかえりなさい、母さん
しおりを挟む「きゃーん! ゆーちゃん! お母さんですよぉーん!! 元気してたぁああ??」
「おかえりなさい、母さん」
優兄の顔面を自らの胸にうずめてぎゅううっと抱きしめたシズクちゃんは、いつ見てもファンシーだ。
クレオパトラっぽい直線的おかっぱなヘアースタイル。魔法少女のようなキラキラでふわふわな服とメルヘンチックなアクセサリー。年齢不詳のロリっ娘だけど絶対に未成年ではない魔性的な雰囲気もブレがない。
「せんきゅんもまた大きくなってるぅ! 鼻水小僧がもうすっかり爽やかイケメンくんですなぁ」
優兄を抱きしめたまま、オレのあたまをポフポフとやさしく撫でてくれる。鼻水小僧発言は気になったけど、優兄以外になでられるのもたまには悪くない。
ポフンとされる度に、イチゴではない果実の香りが漂ってくるのが魔法のよう。
シズクちゃんはとても華やかなイチゴフルーツパフェのような人だ。凶悪なマフィアとはあまりにも相対する。
「おい、シズ! アタシを後回しにするなっていつも言ってんだろうが!」
思ったそばから、ゴッドマザーがお怒りだ。ブロッコリーを葉巻みたいにくわえている。
「だってナホたんはわたしのデザートなんだもーんっ!」
シズクちゃんはナホちゃんと女子校で出逢い、バンドを組んでいたという。なんだかんだあって、いまはミュージカル舞台の衣装デザインと制作をしている。
そのアトリエはうちの近所にあるものの、一旦仕事モードになるとまず帰ってこない。
それなのに今日帰ってきた目的は──。
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