双子悪魔の奴隷として転生したのにたっぷり愛されて育ちました！

5 三人で一つ

13 ご対面

「どうしてベル！？　ちゃんと元の世界に帰れたんでしょ！？」

「だって、嫌だもん！　あの化け物といっしょに二人が消えちゃうなんて、ぜったいに嫌だっ！！」

「帰れ！　オレたちのことなんてもう忘れろ！　人間界に帰って、人間のパートーナーと幸せになるんだ！！」

「やだ！　ぼくの居場所はコニーとリテナの隣だもん！！」

「「ベル……」」

　ふたりは一つだけの瞳を潤ませ、辛そうにぼくを見ている。
　瞳から発せられる光は、強くなったかと思えば、今にも消えそうなぐらい弱くなる。魔力がだいぶ減っているせいなのかもしれない。
　ずっと傍観していたトラムは「パチパチパチ」と口で拍手をした。

「いやぁ、やっぱりベルくんはいい子だ。さすが我がご主人様」

「そういや、その白い男は誰だ！？」

「ボクたちのベルを勝手に抱っこするなんていい度胸してるね！！」

　涙目から一転、大きすぎる目をこれでもかと見開いてこちらを睨んだ。ふたりは殺気でギラギラ。今にもトラムに襲いかかりそう。
　そんなことしている間にも、化け物は街の木々や建物を食い荒らすように壊しまくっているというのに──。

　当のトラムはにっこり笑顔を崩さない──というかスターもいつも笑ってるような犬だから、トラムも黙ってても笑顔に見える顔なのかも。緊張感がない。