凛くんはダメな子ほど愛しすぎるオカン体質で色々と苦労するらしい

雨宮くもり

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10 ヤっちまった

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「この、ばか……」

 さすがに気持ちが悪くて完全に目が覚めた。ため息と共に、鉛みたいな体を起こす。

 とりあえずシャワーを浴びて、体のあちこちに付いた鶴見の体液を洗い流す。元の“塚田凛也”の理性を呼び戻し、昨日の夜のことは思い出さないようにした。
 一歩踏み出すたび、押し拡げられたそこの痛みはバッチリよみがえるが、なるべく意識しないようにする。

 腹が減ったという鶴見のためにおにぎりをにぎってやることにした。
 とはいえ、ごはんを炊いている時間はない。いや、そもそも炊飯器がない。

 パックごはんをチンして、アツアツのまま握る。
 焼きゴテを押し付けられているような拷問じみた熱さだが、いつもやっているので慣れっこ。
 むしろ眠気覚ましになっていい。
 
 冷凍食品だらけの部屋には海苔なんてものはなかったが、戸棚の奥に味塩の小瓶を見つけた。
 もちろん、ただの塩むすびでは味気ない。具にミートボールをねじ込む。
 

「……なにやってんだ、俺」

 弁当を作るのは日常だが、人ん家でおにぎりを握るのは初めてだ。

 昨晩、イレギュラーなことをしてしまった分、少しでも日常を取り戻したかった。
 思えば、弟たちと激しく言い争ってケンカした次の日も、俺は変わらずおにぎりを握って来たのだ。

 初めてセックスをした次の日だって、そのサイクルは変わらない──。


「いや、マジでなにやってんだ、俺」


 何度口にしたところで、答えは出ない。

 
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