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13 ハナサナイ
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「りん、くん……は……、りんくんは……やさしいよ……」
開いたままの唇は亀裂が分かるほどくっきりと縦に割れていた。
「……、ぼくを、きらいに、ならないで……」
ぱくぱくと動かそうとするほど、傷口がさらに開いていく。
「なに言ってんだ」
「りんくん、すき、だよ……、りんくんは、やさしいから……」
痛々しい赤と黒のなか、俺をおだやかに見つめる瞳の奥の輝きだけが怖かった。
「やさしくなんかねぇ! バカか!? 殴ってんだぞ!?」
強がれば強がるほど、俺は虚しくなっていく。
弱弱しくて、なにもできなくて、完璧にはほど遠いはずの鶴見によって、俺のハリボテみたいな本性がむき出しにされていく。
開いたままの唇は亀裂が分かるほどくっきりと縦に割れていた。
「……、ぼくを、きらいに、ならないで……」
ぱくぱくと動かそうとするほど、傷口がさらに開いていく。
「なに言ってんだ」
「りんくん、すき、だよ……、りんくんは、やさしいから……」
痛々しい赤と黒のなか、俺をおだやかに見つめる瞳の奥の輝きだけが怖かった。
「やさしくなんかねぇ! バカか!? 殴ってんだぞ!?」
強がれば強がるほど、俺は虚しくなっていく。
弱弱しくて、なにもできなくて、完璧にはほど遠いはずの鶴見によって、俺のハリボテみたいな本性がむき出しにされていく。
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