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14 内ト外※

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 一つだけ確かな事があるとすれば、俺はあの日以来、クラスの輪に入れなくなった。
 教室でのあるべき姿を見失った。


 今日も、福井や河野に小橋はいつも通りに笑っている。いつも通りにボケて、役割を分担しながら健太の昼飯をいじって、やがてオチがくる。

 でも、厳密には“いつも”通りじゃない。
 俺が入りこむための隙間だけがすっかり埋め立てられてしまった“いつも”だ。

 これがいじめではなく、福井たちの悪意でもないことを俺は理解していた。
 今回の件とどう向き合ったらいいのか、みんな分からないのだ。それだけ。
 
 

 入り込む隙間のなくなった教室は、おどろくほど無機質で、空気が薄かった。
 座っているだけで頭がもうろうとして、ひどく息が上がる。

 どう過ごしたらいいのか分からなかった。
 休み時間は誰とも会話することなく、机に伏せているしかなかった。決められた授業をこなし、あとはただ、じっと時間が過ぎていくのを待つばかり。

 まるで、鶴見の代役を演じているみたいだった。


 だとしたら、このクラスから本当にいなくなったのは“塚田凛也”なのかもしれない。
 
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