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あめ降って地固まる
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しおりを挟む「よしよし。かわいいね」
一條さんはまるで保育士さんのように、にじっぴの顔や体をタオルでぽんぽんとやさしく拭いた。
表面についたゴミを取り、生えている短い毛の向きを整えているらしい。
「あっ、……それでね、にじっぴ。プレゼントがあるんだ。美術さんが新しく作ってくれたんだよ。似合うといいんだけど……」
スーツが汚れてしまうのにも関わらずひざまずき、にじっぴの頭と胴体の境目にクリームソーダ色の大きなリボンをつけてくれた。
昭和の漫才師の蝶ネクタイのよう。
アホっぽさが増し増しになる。
「ふふっ……良かった! もっとかわいくなったね」
手のひらの裏で申し訳なさそうにプフッと吹き出し、「かわいいかわいい」とほっぺをナデナデ。
鷲尾は『一條さんこそ最高にかわいいです!』と叫びたいのを堪えまくりながら、照れているように体を揺らしたり、頭をぽりぽり掻くような仕草をしてみた。
「にじっぴ。これからはキミともっと仲良しになりたいな。……しょ、正直に言うと、まだどう接したらいいのか分からないのだけど。……ゆっくり、やっていけばいいよね……?」
中継のセッティングをしている他のスタッフには聞こえないほどの小声で、一條さんはぽそりとつぶやく。
「ボクも頑張るよ。だから、どうか力を貸してほしい」
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