探検隊ルイーザと不思議な物語

旅立 マス

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第1章 現実とファンタジーの間で

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リズは再び男に向かって攻撃を仕掛ける。
ジュンも手持ちの拳銃で男に向かって発砲する。
つい、勢いで自分も攻撃を仕掛けてみたが、この拳銃、自分と相性がいいみたいだ。
まるで、以前から使っていたかのように簡単に扱うことができる。
そういえば、ジョブを手に入れた時に本人に適正な武器が現れるって言ってたっけ。まさにそういうことか。
これなら自分も戦うことができる。まさか、こんな形で初めての実戦になるのか。
「おや、まさか貴方も攻撃をしてくるとは。レベルIだから何もしてこないかと思いましたが」
「自分でも驚いたよ。まさかこんな行動にでるとはね。
 けど、何もしないくらいなら何かした方がマシだと思ったんでね」
普段の自分なら考えられない行動だ。小さい頃からあまり積極的に表に出るようなタイプでは無かった。
後悔はあったのかもしれない。もっと色々なことに積極的であればこう変わることができたのではないかと。
遅かれ早かれ、自分に危機が迫って初めてこんな積極的な自分が出てくるとは。
「だが、残念なことに経験がないみたいだね」
男はジュンに向かって魔法を放つ。
「うわっ・・・」
ジュンの手から小さくて透明なシールドが現れた。そのシールドは男が出した魔法攻撃を防いだ。
「ん?」
男は自分の攻撃が防がれたことに驚いた。
それよりも驚いたのはシールドを出して魔法を防いだ本人だ。
ジュン自身もどうやって男の攻撃を防いだのかよく分からなかった。
「これは驚きました。まさか魔法攻撃を防ぐとは。これは将来脅威になる存在かもしれませんね。
今のうちに潰しておくのがいいかもしれません」
男が更なる攻撃をジュンに向かって放とうとする。
さっきみたいに防げればいいがそれが出来るという確証は無い。
ひとまず逃げる。と思ったが、来た道は一本道だから 簡単に狙われる。
(これは・・・)
この状況を乗り切る手段が無い。そうなると次に待っているのは死あるのみか・・・
ジュンが諦めかけたその時、リズは男に火の魔法で攻撃した。
「がはっ・・・・」
男に大きなダメージを与えたリズ。
「私から目を外してくれてありがとう。おかげでさっきより強力な攻撃魔法を出せたわ」
「この威力・・・まさか通常魔法のさらに上位の火の魔法だと・・・!?」
「わずかでもジュンの方に目を向けたのが失敗だったわね。上位攻撃は時間がかかり隙がかかるけど
 私から目を逸らしてくれたおかげでチャンスができたわ」
「き、貴様・・・」
先程まで丁寧な言葉遣いで喋っていた男の口調が変わった。
「ただの小娘と戦いの経験のない者に負けるなどありえない。どうやらお前たちには手加減する必要はないようだな」
「ジュン!」
リズが出した防御魔法のおかげで男の攻撃を受けないで済んだ。
いや、その前に男から攻撃をする気配が感じなかった。
「それよりリズ!」
ジュンを庇ったが、自分自身の防御は間に合わなかったみたいだ。
「だ、大丈夫みたいね・・・」
「リズ、なんで庇ったんだ!君の方があいつに勝てる確率は高いのに」
「いや、勝てる可能性が高いのはジュン、あなたの方よ。それだけの素質があるわ。
 さっき、あいつの攻撃を防いだ時思ったもの。今のその力を使いこなせればきっと・・・」
「お喋りはそこまでだ」
男がリズの背後に近づく。
「このギガロをここまで追い詰めるとは。称賛に値するよ。敬意を示して苦しまずに逝かせてやろう」
このままではリズがあのギガロとかいう男に殺されてしまう。そんなことはさせない。
もし、自分にあいつに勝つ力があるのなら今それを発揮して欲しい。
ジュンはそう思い、手元の銃をギガロに向かって撃った。
「やめろー!」
ジュンが撃った銃の弾はギガロの胸に当たった。
「な・・・に・・・!?」
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