探検隊ルイーザと不思議な物語

旅立 マス

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第1章 現実とファンタジーの間で

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ギガロが倒れた!
リズが殺されそうで咄嗟だったとはいえ、人を殺してしまったのか・・・?
ジュンは恐怖の感覚を覚えた。
「ジュン・・・大丈夫・・・?」
「う、うん・・・」
戦う力を得たということは遅かれ早かれこういうことも経験する。
覚悟はしていたつもりだった。だが、なんとも言えない感じを覚えた。
「ほお・・・私を倒すとはな・・・」
ジュンは驚いた。さっき倒したはずのギガロが普通に立っていることに。
「おっと、今の私には戦う力は残されていない。ただ死ぬだけの存在。
 私が死ぬ前に良いことを教えてやろう。おまえが倒したのは私のだ。
 それでもレベル5くらいにいは相当するはずだったんだが。調整が甘かったみたいだな。
 最も、倒されるとは思ってもいなかったが」
この強さでリズよりもレベルが下だって!?
「本物の私は別のところにいる。次の計画があるんでね」
「教えなさない!あなたは何をしようとしているの?」
「世界の改変。つまり、世界を新たに作ることさ。そして、その計画は今成される」
ギガロが懐にしまっていたボタンを押した。
すると、部屋中からブザーの音が聞こえる。
「言ったでしょ。世界改変するには、と」
「まさか、さっき押したボタンが!?」
「その通り。プログラムはもうすぐ起動する。あと数分で世界の改変が行われる。それはもう止めることもできない」
何もかもこのギガロの思い通りという訳か。
「世界改変が行われると分かった以上、この体にはもう用はない。まあ、せいぜい世界改変後を楽しむが良い」
ギガロの体のレプリカはそう言い残すと崩れていった。
それより問題は世界の改変が起きてしあうということだ。自分たちはどうなってしまうのだろう。
いや、それよりもまずはここから離れた方が良いのではないだろうか。
何が起きるか分からない訳だが。
「リズ、ここから逃げよう」
「待って。脱出用の魔法を作ったわ。この魔法陣に入れば外に出られるわ」
ジュンの足元に魔法陣が描かれていた。さすがリズ。準備が早いな。
それにしても、この魔法陣、狭いような気がするが。
「ジュン、ごめんね。この魔法陣は1人用なの」
「え?」
リズは魔法陣を起動させるために線を描き始めた。
「リズ、どういうつもりだ!」
「ギガロはどうやらこの機械が再起動させない為に起動後に爆発する仕組みをしているみたいなの。
 だから、少しでも遠くに逃げて!私は被害が大きくならないように最大の防御魔法をかけるわ」
「その防御魔法ならここを出てからでも・・・」
「それは無理みたい。さっきのギガロの攻撃で足に大きなダメージを受けたみたいなの。
 だから、走って脱出は無理なの。だから、外へ出られる魔法陣を作ったんだけど、
 1人用しか作れないからさ。だから君だけでも先に逃げて欲しい」
「そんな・・・勝手な・・・」
「ゴメンね・・・。けど、私を助けてくれて本当にありがとう。これを君に預けるよ」
リズはジュンに首にぶら下がっていた笛を渡した。
「この笛の謎は君に解いて欲しい。君なら立派な冒険家になれると思うよ」
「リズ・・・」
「時間が無い。魔法陣を起動させるわ。・・・・じゃあね・・・・」
魔法陣が輝くと同時にジュンの姿が消えた。
リズは世界改変の機械の方に目を向ける。
死ぬつもりはないが、この機械が爆発した時に生き残れる確率も低い。
ギガロめ、とんでもない機械を作ったものだな。彼の目的が何なのかは気になるが、
今はこの目の前の危機を打破する為に有りったけの防御魔法をかけて、爆発の被害を大きくしないことが先決だ。
もし、生き延びることができれば、ジュンを冒険の仲間に誘いたかったが。一緒に世界の謎を解いてみたかった。
やりたいことがいっぱいある。それがもうできないと思うとリズの目には涙で溢れていた。
「さて、やりますか・・・」
リズは最大限の力を振り絞って防御壁を出した。それと同時に世界改変の機械が起動した。
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