探検隊ルイーザと不思議な物語

旅立 マス

文字の大きさ
12 / 136
第1章 現実とファンタジーの間で

1−10

しおりを挟む
窓の夕焼けの光の眩しさでジュンは目が覚めた。
ジュンは自分の家に居た。どうやら生きているみたいだ。
ふと、手元にある笛を見て、ハッと思った。
「リズは?世界の改変は?」
そうだ、工場の戦いの後、リズの転送魔法で脱出させられたんだ。
ここまで転送してくれた彼女は一体どうなったのか?
そして、世界の改変とやらはどうなってしまったのか?
自分の家にいるということは別にどこかの世界に飛ばされた訳では無さそうだ。
しかし、ジュンは窓の外を見て最初に大きな違和感を感じた。
「工場の煙突がない・・・!?」
いつも当たり前のように見慣れていた建物が急に見えなくなったのだ。
さらに、その工場があった辺りは一面焦げた土地になっている。
まさか、工場の中にあった機械が起動して起きた爆発なのか。
工場があった土地だけが焦げている。
それがリズのおかげだとすぐに気づいた。彼女がかけた防御魔法のおかげで爆発被害があの土地だけで済んだということだ。
ジュンは急いで工場があった跡地へ向かった。
行ってみると、そこは何もないただ焦げただけの土地になっていた。
ジュンは辺りを見回してみた。
工場に入る前程では無いが、人が居たり居なかったりという感じだ。
救急車とかが居ない感じだと、爆発で怪我をした人は居なかったということか。
まるで奇跡だな。これもリズのおかげなんだあろうな。
「リズ・・・」
この土地にリズの居る気配はない。工場で起きた爆発でやっぱり・・・
ジュンは何とも言えない気持ちになった。怪我していた彼女を工場に連れて行くべきではなかったのか。
止めようと思えばいくらでも止めれたはずなのに・・・
彼女を助けられなかったことが悔しくてたまらなかった。
ふと、ジュンの手元にあるリズから貰った笛が光り始めた。
「笛が光ってる?」
というか、笛って光るものではないと思うが。
そういうツッコミはどうでもいいとして、なぜ笛が光ったのか。
まるで、探知機のように何かに反応をしているような感じの輝きだ。
ジュンは一歩前に進む。
すると、笛の光が増してきた。
一歩後退してみる。
笛の輝きが減ってきた。
つまり、輝きが増す方向に進んだ先に何かがあるのか?
とにかく、光の輝きに従って進んでみた。何もないこの場所に一体何があるというのだ。
数メートル歩くと輝きはさらに増してきた。すると突然、目の前に何か現れた。
あれはとしか言いようのない何かだな。タグの中心に太陽のような印がしてある。
これは一体・・・
そういえば、リズに旅の話を聞いた時に、この笛は始まりの異界を導いてくれる物だって。
ということは、このタグはそれを導いてくれるアイテムなのだろう。
導いてくれる?誰が?誰を?
ジュンは考えた。このタグを手に入れてどうするつもりなのか?
リズがやろうとしていた冒険を引き継げということなのか?
確かに、冒険に行ってみたいという気持ちがない訳ではなかったが・・・
なんだか、今日一日で色々なことが起きすぎて気持ちの整理が出来ない。
リズと出会い、分かれて、世界の改変とやらに巻き込まれて・・・・
「あ、そういえば、世界の改変の方はどうなったのか?」
辺りを見ても、いつもあった工場が無くなった以外は特に変わった様子は無さそうだ。
というか、結局、世界の改変は起きなかったということだろうか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

陸上自衛隊 異世界作戦団

EPIC
ファンタジー
 その世界は、日本は。  とある新技術の研究中の暴走から、異世界に接続してしまった。  その異世界は魔法魔力が存在し、そして様々な異種族が住まい栄える幻想的な世界。しかし同時に動乱渦巻く不安定な世界であった。  日本はそれに嫌が応にも巻き込まれ、ついには予防防衛及び人道支援の観点から自衛隊の派遣を決断。  此度は、そのために編成された〝外域作戦団〟の。  そしてその内の一隊を押しつけられることとなった、自衛官兼研究者の。    その戦いを描く――  自衛隊もの、異世界ミリタリーもの……――の皮を被った、超常テクノロジーVS最強異世界魔法種族のトンデモ決戦。  ぶっ飛びまくりの話です。真面目な戦争戦闘話を期待してはいけない。  最初は自衛隊VS異世界軍隊でコンクエストをする想定だったけど、悪癖が多分に漏れた。  自衛隊名称ですが半分IF組織。  オグラ博士……これはもはや神話だ……!

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

処理中です...