探検隊ルイーザと不思議な物語

第1章 現実とファンタジーの間で

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否。どうやら世界の改変とやらは起きたみたいだ。
ジュンの家からは当たり前に見えてみたものが見えなくなっている現象が他にもあった。
何年か前に近くの他の地域で日本で一番高いタワーができたニュースがあって、
そのタワーは家からはっきりと見えるものだった。それが見当たらない。
ここから導かれる結論は２つ。タワー自体が別の世界に飛ばされたか、あるいはその逆。
この街が別の世界に飛ばされたか。そのどちらかだ。
ジュンはスマホを取り出した。
「繋がらない・・・」
つまり、この街が別の世界に飛ばされたということらしい。
「マジか・・・」
それしか言えなかった。いや、本当にそれしか言えない。
よくファンタジー小説にある転生や異世界に飛ばされるような展開を今、実際に経験している。
今はどんな気持ちなのか。不安？分からないが、ただ言えるのは、こんな状況でも冷静でいられるものだということだ。
叙々に周りの人が騒ぎ出した。
まあ、あれが普通の反応なんだろうな。非日常なことが起きているのだから。
「あれ・・・？」
ジュンは色々と気になった。
そもそも別世界とやらに巻き込まれたのはこの街だけなのだろうか。
タワーが見えない以外は見た感じ、自分が住んでいる江戸川町であることは間違いないが。
あの機械で、知ってる場所がどこまで別世界に巻き込まれたのだろうな。何にしても、情報が無い。
どうしたものか・・・
そう考えていると、目の前に見たことない生き物が。
見た目はスライムとしか形容しようがない生き物だな。
スライムはジュンに向かってタックルしてきた。お腹に命中した。意外と痛い。
「こいつ、人を襲うのか！？」
死ぬのど痛い訳ではないが、これ以上相手の攻撃を受けていると色々と厄介だ。
ジュンは拳銃でスライムを攻撃する。しかし、全く効いていない。
柔らかそうな体に対して銃弾が貫通しないみたいだ。
「だったら、剣の方は・・・・」
剣なんて使ったことはないが、これが自分に合った武器であるなら、使いこなせるはず。
両手で持つタイプの大型の剣を出したジュン。使い方はわからないがとりあえず振り回してみた。
スライムに剣が当たった。物凄い勢いで飛ばされる。あれは、10メートルくらいは飛ばしたんじゃないか。
いやいや、剣ってそういう使い方だっけ・・・？何も切れ味も感じない。
しかし、スライムには大きなダメージを与えたみたいだ。
「よし、これでとどめだ」
剣の刃の面積が広い方でスライムを思いっきり叩いた。
スライムは動かなくなった。
「はあ、はあ、はあ・・・いきなり訳の分からない生き物が現れるなんて・・・
　この世界はどうなってしまったんだ？」
どうしてこんな生き物が江戸川町にいるんだ。これも別世界に飛ばされた影響なのか。
もしかして、今後もこういった知らない生き物と遭遇するのだろうか。
せめて、戦い方ぐらいはキチンと習っておくべきだったか。
「ほお・・・この世界には戦う力を持っている者もいるみたいだな」