26 / 136
第3章 冒険の始まり
3–1
しおりを挟む
探検隊を結成して最初の朝が来た。旅立ちの日に相応しいとても晴れた朝だ。クルールが用意してくれた宿泊所(元は水江駅前のホテルだが)で寝泊りした2人。ルイーザはジュンが寝ている部屋に行き、ジュンを起こす。
「ジュン!朝だよ、起きてー!」
「ふぁぁ、朝か・・・」
「おはようジュン!よく寝てたみたいだね」
「おはようルイーザ。朝から元気だね」
「そりゃそうよ。今日から探検隊としての旅が始まるんだもん。ワクワクするに決まってるわ」
「ルイーザ、自分と出会う前から冒険の旅してるじゃん」
「仲間がいるのと1人は別よ」
そういうものなのか。ジュンは冒険自体始めたばかりだから、その辺りはよく分からないが、同じ目的を持つ仲間がいるのは悪い気はしなかった。
「そうだ、クルールが旅立つ前に寄ってくれってさ」
「分かった。準備するよ」
しかし、ルイーザはベッドの横の準備された荷物を見てジュンが既に支度が出来てると思った。
「準備出来てるじゃん。これ以上何を準備するの?」
「いや、忘れ物がないかの確認とか・・・?」
「ひょっとして、ジュンもワクワクしてた?」
「・・・」
ジュンは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にした。実は夜寝るまで、遠足前のワクワク感と同じ気持ちだった。そんな気持ちになったのは小学生の時以来だ。しかも、なかなか眠れないから先にいつでも出れるように準備をしていたのだ。
「ワクワクしてたよ。ワクワクしてましたー!」
ジュンは開き直った。もう、開き直るしかなかった。
「まあ、初めての探検隊としての旅だもん。ワクワクするよ、うん」
ルイーザに優しくフォローされた。
「ま、まあ、とりあえずクルールに呼ばれてるんだろ。行こうか」
ジュンとルイーザはワッフルを連れて、宿泊所を出てクルールのいるギルドに向かった。
ギルドの入口にクルールが立って待っていた。
「おう、来たか」
「おはようございます」
「新米探検隊によくありそうなワクワクした雰囲気してるな。気持ちは分からんでもない。
だが、ここからはお前らの進む道だ。楽しいこと、辛いこと色々あると思うよ。なんて、形式貼ったこと言うけどさ、オレからはまあ頑張れとだけ言っておくよ。探検隊なんだしまあ、自由にやっていこうぜ、そんなところだな」
クルールは2人の背中を叩いて激励する。痛かったが、とても勇気をもらった気がした。それとタブレットを渡す。
「こいつは、オレ個人からの旅に役立つアイテムだ。地図になったり、近辺のギルドの依頼を知ることができる。まあ、役立ててくれ」
「クルール、本当に色々ありがとう!次に会う時はもっとビッグな探検隊として来るわね」
「ああ、楽しみにしてるよ」
クルールからの激励と行ってきますの挨拶を済ませ、2人はワッフルに乗って水江の街を出る。ここからルイーザ探検隊としての旅が始まった。
「ジュン!朝だよ、起きてー!」
「ふぁぁ、朝か・・・」
「おはようジュン!よく寝てたみたいだね」
「おはようルイーザ。朝から元気だね」
「そりゃそうよ。今日から探検隊としての旅が始まるんだもん。ワクワクするに決まってるわ」
「ルイーザ、自分と出会う前から冒険の旅してるじゃん」
「仲間がいるのと1人は別よ」
そういうものなのか。ジュンは冒険自体始めたばかりだから、その辺りはよく分からないが、同じ目的を持つ仲間がいるのは悪い気はしなかった。
「そうだ、クルールが旅立つ前に寄ってくれってさ」
「分かった。準備するよ」
しかし、ルイーザはベッドの横の準備された荷物を見てジュンが既に支度が出来てると思った。
「準備出来てるじゃん。これ以上何を準備するの?」
「いや、忘れ物がないかの確認とか・・・?」
「ひょっとして、ジュンもワクワクしてた?」
「・・・」
ジュンは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にした。実は夜寝るまで、遠足前のワクワク感と同じ気持ちだった。そんな気持ちになったのは小学生の時以来だ。しかも、なかなか眠れないから先にいつでも出れるように準備をしていたのだ。
「ワクワクしてたよ。ワクワクしてましたー!」
ジュンは開き直った。もう、開き直るしかなかった。
「まあ、初めての探検隊としての旅だもん。ワクワクするよ、うん」
ルイーザに優しくフォローされた。
「ま、まあ、とりあえずクルールに呼ばれてるんだろ。行こうか」
ジュンとルイーザはワッフルを連れて、宿泊所を出てクルールのいるギルドに向かった。
ギルドの入口にクルールが立って待っていた。
「おう、来たか」
「おはようございます」
「新米探検隊によくありそうなワクワクした雰囲気してるな。気持ちは分からんでもない。
だが、ここからはお前らの進む道だ。楽しいこと、辛いこと色々あると思うよ。なんて、形式貼ったこと言うけどさ、オレからはまあ頑張れとだけ言っておくよ。探検隊なんだしまあ、自由にやっていこうぜ、そんなところだな」
クルールは2人の背中を叩いて激励する。痛かったが、とても勇気をもらった気がした。それとタブレットを渡す。
「こいつは、オレ個人からの旅に役立つアイテムだ。地図になったり、近辺のギルドの依頼を知ることができる。まあ、役立ててくれ」
「クルール、本当に色々ありがとう!次に会う時はもっとビッグな探検隊として来るわね」
「ああ、楽しみにしてるよ」
クルールからの激励と行ってきますの挨拶を済ませ、2人はワッフルに乗って水江の街を出る。ここからルイーザ探検隊としての旅が始まった。
0
あなたにおすすめの小説
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる