探検隊ルイーザと不思議な物語

第4章 占拠された街

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急いで宿屋に戻った2人。ジュンはテーブルの上に1枚の地図を広げた。その地図にはいくつもの線が書いてある。
「ジュン、この地図は？」
「これは鉄道マップ。僕が居た世界の電車と言う乗り物の案内図みたいなものだね」
高校生時代から電車で道に迷わないように財布の中に入れていた地図だが、まさかこんな形で役立てるとは思わなかった。
「なかなか複雑そうな地図だね」
「まあ、それだけ多くの人が住んでた都市だったからね。まあ、それはともかくここを見て欲しい」
ジュンは緑色の線の上に書かれている水江という文字を指す。
「ここが僕たちが探検隊を結成した街だね。で、二つ先なんだけど・・・」
「あ！舟堀って書いてある」
「そう。水江の駅と舟堀の駅は地下で繋がっていることが分かる」
「ってことは、水江の駅のあの暗い場所から舟堀の駅に行ける可能性があるということ？」
「まだ推測の域だけどね。世界の改変が起きてからあの地下がどうなったか調査してるみたいだから確信は持てない」
しかし、街の中に入ることが出来ればこっちのものだ。あの街は小さい頃からよく行ったことがあるから迷うこともないだろう。
「あの地下を調べてみる価値はあるという訳ね」
「そういうことだ」
それを確かめる為には一度、水江の街に戻る必要がある。ただ、一つ心配なことがある。
「水江の街に戻っている間に、占拠してる奴らが何もしないとも限らないよね。それにどうしてギルドが動かないのか」
それが一番の謎だ。厄介な実力者が居たとしても、狭い街を支配する輩だ。王国のギルドの方が実力者も多いはず。こちらが数で攻めれば勝てると思うが、何故か王国のギルドは動かない。人質救出を優先的に考えているから思うように動けないのか。
「その辺りはギルド繋がりでクルールが何か知ってるかもしれないわね」
確かに、ギルドのことならギルドの人に聞くのが一番手っ取り早いだろう。
「じゃあ、そうと決まれば行動あるのみね。ジュン、早速行きましょう。今ならワッフルを全力で走らせれば明日の朝には着くと思うわ」
「・・・うん、安全運転でお願いするよ」
ワッフルに乗れば間違いなく早く着くだろうが、あの全力スピードはまだ慣れない。そう考えると気持ちがあまり入らないジュンだった。