探検隊ルイーザと不思議な物語

第5章 勇気と恐怖

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「目立たないように入る方法か・・・」　
ルイーザが思いついた。
「いっそ捕まったふりして中から攻めるのは？」
「それはもうやった。捕まる時に持ち物検査される。当然、自分の武器を出せない者は武器を取られるし、武器を持つ者は、武器を封じるための腕輪をつけさせられる。そうなると反撃ができない」
ふと気になった。
「あの街にはレベルを持たない人も住んでいるでしょ。そう言う人たちは？」
「武器などを持たない人達は特に何もされないらしい。反撃されるなんてことは考えていないだろうからな」
当然か。武器を持つ者はそれを取り上げる手段で封じる。戦略としては当たり前だ。
「そう言えば、ギルドの方が出すクエストって経験が無いとダメって話だけど具体的には？」
「レベル6が最低条件だな」
「なるほどレベル6が最低条件か」
ジュンは思った。この考えを利用できるのでは無いかと。
「つまり、レベル6未満の僕らは手元の武器だけ取り上げられて終わりってことだね」
レベル4の2人なら武器封じの腕輪をつけられないで済む可能性がある。つまり、中に入っても戦える可能性が出てきた訳だ。
「待って、君達がおとりになると言うのか？」
ルイーザはともかく、ジュンの方はまだ恐怖を克服していない。わざわざ、敵地に行って捕まりに行くだけだ。
「けど、土地勘ないルイーザ1人だけ行かせる訳にはいかないでしょ」
「た、確かに・・・」
「あ、そうなったら、中に入ったら戦える手段を確保するのが優先ね。武器さえ手に入れればジュンも戦えるわ」
「なんだか行くことが決定みたいになっているが許した覚えはないぞ」
「けど、今、この状況を何とかする手段が私達にあるわ」
「むむむ・・・」
ルイーザの言う通りだ。自身の武器を扱えて、さらに土地勘のある者がいる。このチャンスを利用しない手はない。最悪、武器の確保のちゃんすさえ得ることが出来れば、ベテランの兵士でも戦える。彼らに全てを任せる訳ではない。武器を確保するところまで任せればいい。
「分かった、ここは君達に賭けてみてもいいだろう」
「やったー！ありがとう！」
どうやら、話がまとまりそうだが、そこに反対する者が居た。
「待って、医者の立場として、私は反対よ。あなた達、前回死にかけてから、まだそんなに回復してないのよ。死にに行くようなものよ」
ウェンディが反対した。明らかなけが人を行かせるなんて、明らかに無謀だ。
「だったら一緒に行こうよ」
その答えにウェンディはキョトンとした。
「はあ！？そういう問題じゃないでしょ」
「ウェンディ頼む。この場にはそれぞれ助けたいものがある。ルイーザはこの国。自分は母校。それなのに何もできないのは我慢ができないんだ」
「だけど・・・」
ウェンディは思った。この2人の決意は固いようだ。簡単に覆せるものではないだろう。
「だったら、こうすればいい」