探検隊ルイーザと不思議な物語

第5章 勇気と恐怖

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現れたのはクルールだ。話を一部始終聞いていたようだ。
「君が回復術を覚えればいい」
「私が？」
「お前さん、医学に携わっているから回復術を覚える才能があると思うぞ」
ウェンディは医療は技術よ手法をひたすら鍛えている為、回復術のような魔法は一切覚えていない。もちろん覚える気がない訳ではない。覚えておけば医療の可能性は更に広がる。
「けど、すぐに覚えられるの？」
「その若さで医療に携わっている身だ。1日くれれば基礎くらいは教えられる。何よりも、この2人を助けるくらいの医療技術を持っているんだ。容易に覚えられるだろう」
ウェンディはこの話を聞いて決心した。
「分かったわ、彼らだけ行かせる訳にはいかないもの。その回復術を覚えて、2人に同行するわ」
ウェンディの話を聞いて、セトが話をまとめる。
「話がまとまったようだな。では明日出発でいいな。本当は君達に無理をさせるのは心苦しいが、作戦の成功を祈る」
「はい！」
明日、鶴小島に潜入する作戦が決行される。ウェンディはクルールと一緒に回復術を覚えるために特訓を。
ジュンの方もルイーザと一緒にリハビリを行う。
作戦開始前の夜、ルイーザは街で1番眺めの良い場所にジュンと一緒にやってきた。街が一望出来る。その場所にルイーザの家があった。
「ここが私の家よ」
ルイーザの家に初めて来た。中は最低限の家具が置いてあるだけのシンプルな内装だ。
そこでゆっくり休憩する2人。今日一日リハビリをした。ルイーザはすっかり回復したみたいで短剣と弓は自由に出せるようになった。ジュンの方はまだ回復しない。ルイーザみたいに何かきっかけになればいいのだが。
「焦ってもしょうがないか」
焦った時が1番失敗しやすい。そのことを1番理解しているのはジュン自身だ。この焦りがあったから過去に色々と失敗してるのだ。だから、決して焦らないように頑張ろう。そう決意していた。
「明日は頑張ろうね、ジュン」
「ああ、必ず成功させよう」
「とは言え、武器については大丈夫なの？もし失敗したら・・・」
「大丈夫だって。いざとなればクルールみたいに素手で戦うさ。ポジティブになろうぜ」
「そうね。ネガティブになっても意味ないものね。成功させることだけを考えよう」
「そうだよ、頼りにしてるよ、相棒」
「ええ、任せて」
2人はお互いを信じて、明日の決戦に挑むことを決意する。この戦いが2人にとって乗り越えなければならない壁の一つとなる。2人の明日はどっちか。そして、次の日を迎えるのだった。