探検隊ルイーザと不思議な物語

第7章 力ある者

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「さて、兵士とギルドの諸君、リフィリア王国の危機を脱するためには今回の作戦成功が必要不可欠だ。覚悟を持ってこの作戦に挑め！」
セト騎士団長は、この場にいる人達に喝を入れた。
「行くぞ！全員進撃する！」
この掛け声と共にリフィリア王国の人達は一斉に東城高校を目指す。その中にはケン達の高校のメンバーも混じっている。進撃している人数はトータルで約2000人。もし、この世界に歴史書を残すとしたら、世界の改変が起きてから、最初の戦争になるだろう。今、ジュン達はその歴史的な出来事に立ち会っている。とても緊張した状態だ。
目指す場所は、高校は鶴小島の駅を出てすぐ、つまりジュン達が戦った場所から10分くらい歩いた場所にあり、わりと近いところにある。ルイーザはふと思った。
「私達が戦った場所から近いところなのに敵側には援軍が来なかったわね」
「そういえばそうだな」
ファランと戦った場所では大きな騒ぎになったはず。普通なら援軍が来てもいいところだが、援軍は全く無かった。
「つまり、初めから捨て駒にされてたってことかな？」
それか、ローデンにとっては今回の計画自体がどうでもいいか。
舟堀タワーでもローデンは部下のフリをして居た訳だし。そもそもローデン自体は何をしたいのか。全く読めない。ただ、下手に突っつくと危険な相手という事は理解している。彼が何を考えているのかは会えば目的が分かるかもしれない。ウェンディからは接近禁止と言われてるのでやるつもりはない。ジュンもわざわざ危険覚悟で会おうとも思ってはいなかった。
色々と思っているうちに、あっという間に目的の場所に着いた。
まさか、このような形で自分の母校に訪れるとはジュンも思わなかっただろう。
東城高校の入り口には、この街に入る時に開いた門と似たような構造の門がある。どうやって門の先に行くかだが。セトの部下の1人が質問する。
「団長。ここからどうやって行くのですか？」
セトは試しに火の魔法で門の扉に攻撃してみる。ところが、門は全くの無傷だ。
「流石に、壊して開けるのは無理のようだ」
すると、門の扉が開き始めた。その場に居た者は驚いた。
「ど、どういうことでしょうか」
「恐らく、向こうも我々を力づくで追い返したいのだろう」
門の向こうは、こちらが来ると予想していたのか、戦う姿勢を見せていた。
「なるほと。向こうも本気のようだな。全員、覚悟を決めろ」
リフィリア王国側も戦う姿勢になる。
「全軍、突撃だ！」
セトの掛け声が戦いの合図となる。