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第9章 クリスタルの洞窟
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中に入っていたのは書物だ。それもたった一冊だけ。
「大きな箱の割には、入ってるのはこれだけか」
「ちょっと待って!」
ウェンディが書物について何か気づいた。
「これ、魔導書ね。これを読めば基本的な魔法は覚えることができる本よ」
ジュンはすっかり忘れていたが、改めて思い出した。この世界は自分が居た世界とは違う事を。
他所の異界に魔法を覚える為の本があっても不思議ではないのだ。
「で、これを読めば何の魔法を覚えられるの?」
「ちょっと待ってね」
ウェンディはそう言うと、本を読み始めた。
「うん、これは氷系の魔法の基礎が書かれているわ。私は基本系の攻撃魔法は覚えてるから、2人が使いなよ」
「本を読むだけで覚えれるとかどういう仕組みだよ・・・」
ジュンは魔導書を開いてみた。
「おお・・・」
どういう仕組みかイマイチ分からないが、文字が勝手に頭の中に入っていく。そして、何となく氷の魔法が使えるような気がしてきた。
ジュンは試しに氷の魔法を使ってみる。力加減のやり方も分かる。掌の上に小さな氷を出した。
「おお!自分にも魔法が使えた!?」
「驚いた・・・本来なら適性から見られるものだけど。あなたのその『見習いヒーロー』ってどんなクラスなのよ?」
「さあ?冒険の師であるリズからは特に聞いてないね」
「さて、私は覚えれるかな?」
ルイーザも魔導書を読んでみた。
「あ、私も覚えることができたっぽい」
「まあ、ルイーザなら当然だよな、水の魔法も使えるくらいだし」
「とりあえず、ここに来て初めてのお宝ゲットね」
クリスタルの洞窟のお宝として氷系の魔法を覚えられる魔導書を手に入れた。
「さて、他には何があるのかな?」
棚の方を調べてみた。本がいっぱいある。この洞窟があった異界の人が何らか理由があって残した物だろう。ジュンは試しに一冊取ってみた。比較的汚れもなく新しそうな本だ。
「何が書いてあるのかな?」
「え?読めるの?」
ジュンは本を読もうと試みたが、見たことのない文字。当然読むことはできない。
「こういう時は、タブレットの翻訳機能を使えばいいのよ。色々な異界の文字を翻訳する機能があったはず・・・」
ルイーザは、タブレットの翻訳機能を使った。その本のタイトルはこうだった。
『クリスタル洞窟の調査記録』
「え?この本、そういう物なの?ってことは、ここの洞窟に何があるか分かるってこと?」
続きのページを開いてみた。
『××月××日、クリスタルでできた洞窟を見つけた。こんな洞窟は見たことが無い。私は調査隊を組んでこの洞窟を調べるとこにした』
タイトルの通り、この洞窟を調べた人の日記のようだ。しかし、かなりのページがある。これは持ち帰ってサルサに調べてもらった方が良さそうだ。
ルイーザは本を閉じようとした。
「ちょっと待って!このページ、気になる絵があるわ」
「大きな箱の割には、入ってるのはこれだけか」
「ちょっと待って!」
ウェンディが書物について何か気づいた。
「これ、魔導書ね。これを読めば基本的な魔法は覚えることができる本よ」
ジュンはすっかり忘れていたが、改めて思い出した。この世界は自分が居た世界とは違う事を。
他所の異界に魔法を覚える為の本があっても不思議ではないのだ。
「で、これを読めば何の魔法を覚えられるの?」
「ちょっと待ってね」
ウェンディはそう言うと、本を読み始めた。
「うん、これは氷系の魔法の基礎が書かれているわ。私は基本系の攻撃魔法は覚えてるから、2人が使いなよ」
「本を読むだけで覚えれるとかどういう仕組みだよ・・・」
ジュンは魔導書を開いてみた。
「おお・・・」
どういう仕組みかイマイチ分からないが、文字が勝手に頭の中に入っていく。そして、何となく氷の魔法が使えるような気がしてきた。
ジュンは試しに氷の魔法を使ってみる。力加減のやり方も分かる。掌の上に小さな氷を出した。
「おお!自分にも魔法が使えた!?」
「驚いた・・・本来なら適性から見られるものだけど。あなたのその『見習いヒーロー』ってどんなクラスなのよ?」
「さあ?冒険の師であるリズからは特に聞いてないね」
「さて、私は覚えれるかな?」
ルイーザも魔導書を読んでみた。
「あ、私も覚えることができたっぽい」
「まあ、ルイーザなら当然だよな、水の魔法も使えるくらいだし」
「とりあえず、ここに来て初めてのお宝ゲットね」
クリスタルの洞窟のお宝として氷系の魔法を覚えられる魔導書を手に入れた。
「さて、他には何があるのかな?」
棚の方を調べてみた。本がいっぱいある。この洞窟があった異界の人が何らか理由があって残した物だろう。ジュンは試しに一冊取ってみた。比較的汚れもなく新しそうな本だ。
「何が書いてあるのかな?」
「え?読めるの?」
ジュンは本を読もうと試みたが、見たことのない文字。当然読むことはできない。
「こういう時は、タブレットの翻訳機能を使えばいいのよ。色々な異界の文字を翻訳する機能があったはず・・・」
ルイーザは、タブレットの翻訳機能を使った。その本のタイトルはこうだった。
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「え?この本、そういう物なの?ってことは、ここの洞窟に何があるか分かるってこと?」
続きのページを開いてみた。
『××月××日、クリスタルでできた洞窟を見つけた。こんな洞窟は見たことが無い。私は調査隊を組んでこの洞窟を調べるとこにした』
タイトルの通り、この洞窟を調べた人の日記のようだ。しかし、かなりのページがある。これは持ち帰ってサルサに調べてもらった方が良さそうだ。
ルイーザは本を閉じようとした。
「ちょっと待って!このページ、気になる絵があるわ」
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