冒険者たちと湖畔の休息

ことのは工房

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突然の訪問者

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三人は湖底に広がる奇妙な遺跡の中を進みながら、守護者の言葉に胸を高鳴らせていた。彼らが踏み込んだその先には、未知の試練が待ち受けていることは確かだった。

 リオが先頭を歩き、マリアとエリックがその後ろに続いている。周囲には、異世界から来たような構造物が立ち並び、光を放つ宝石が水面に浮かんでいた。

「これ、どういう仕組みなんだろう?」

 エリックが一つの石を指差しながらつぶやいた。

「古代の文明が残したものだろうけど、何か目的があったんだろうな。」

 リオは答えながら、その石に触れてみた。すると、石の表面が一瞬で温かくなり、次第に光を放ち始めた。

「待って、リオ! 何か反応してる!」

 マリアが急に叫んだ。

 その瞬間、石から放たれた光が一気に広がり、遺跡全体を照らし出した。空間が揺れ、微かな振動が三人の足元から伝わってくる。

「これは……何か起こった!」

 エリックが周りを警戒しながら言う。

 突然、遺跡の奥から激しい音が響いた。それはまるで何かが解き放たれるような、重い音だった。三人は足を止め、息を呑んだ。

「何だ? 来るぞ。」

 リオが低く呟き、警戒態勢を取る。

 そのとき——

 「待ってください!」

 突然、後ろから声がした。

 三人が振り返ると、そこには見知らぬ人物が立っていた。

「誰だ、お前は?」

 リオが鋭く問いかけると、その人物は頭を下げ、やや緊張した様子で答えた。

「私はサイラス。ここで迷子になってしまった冒険者です。」

 その人物は中年の男性で、青いローブをまとっていた。顔には疲れたような表情が浮かんでいるが、どこか異国的な雰囲気を持っていた。

「迷子? ここで何をしている?」

 エリックが疑いの目を向ける。

「実は……私は、生命の雫を探しているのです。」

 サイラスの言葉に、三人は驚きの表情を浮かべた。

「お前も……"生命の雫"を?」

 リオが眉をひそめると、サイラスは頷いた。

「はい、私もその力を求めている。しかし、遺跡に閉じ込められてしまい、出口を見つけられなくなったのです。」

「なぜそれを今になって言う?」

 マリアが冷ややかに問いかける。

「すみません……私は本当に迷子で、助けてほしかったのです。」

 サイラスは再び頭を下げた。

「もし、この遺跡から出られる方法を知っているのであれば、助けていただけませんか?」

 三人はしばらく考え込んだ。

 突然の訪問者に警戒心を抱いているが、その一方で彼が提供する情報に耳を傾けなければならないことも理解していた。

「お前が言う通り、この遺跡には何か力がある。もし本当に助けてくれるというなら、一緒に進むことにしよう。」

 リオが決断し、サイラスを迎え入れることにした。

「でも、何か裏があるならすぐに教えてもらうぞ。」

 エリックが警戒しながら言うと、サイラスは顔を引き締めて答えた。

「もちろんです。私も決して嘘をつくつもりはありません。」

 そして、四人は再び遺跡の深部へと進んでいった。

 進んでいくにつれて、周囲の空間がどんどん不気味さを増していく。遺跡の壁には、奇妙な文字や図形が刻まれ、暗闇の中で何かが動いているような気配を感じ取ることができる。

「この先、試練が待っているはずだ。」

 リオが静かに言う。

「守護者が言っていたように、"生命の雫"は簡単に手に入るものではない。」

 突然、サイラスが立ち止まり、遠くを見つめながら呟いた。

「この場所には、私もまだ知らない秘密が隠されている。それに、試練だけではなく、遺跡を守る者がいることを忘れてはいけません。」

「守る者?」

 マリアが問いかけると、サイラスは深刻な表情で答えた。

「はい。この遺跡には、恐ろしい守護者がいると言われています。その者を倒さなければ、"生命の雫"に近づくことはできない。」

 その言葉に、三人は緊張した表情を浮かべた。

「それは……簡単に言うことじゃないぞ。」

 リオが拳を握りしめながら言う。

「でも、行くしかないんだ。試練を乗り越えなければ、何も始まらない。」

 三人は再び歩みを進め、サイラスと共に未知の試練へと踏み込んでいった。
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