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第1章 この出会いに感謝する。
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しおりを挟む藤本がこちらを見る目が気持ち悪い。それは藤本だけでは無く、全ての女に感じる嫌悪感だった。貴臣はバスローブの袖が汚れる事も気にせずに、乱暴に藤本の唇を拭った。されるがままの藤本は、貴臣のバスローブの両腰部分をきゅっと握り締めていた。
貴臣は無表情のまま藤本をどかすと、そのままベッドルームに向かった。背後では藤本がついて来る気配がある。ベッドに腰を下ろすと、藤本が足の間に身体を割り入れて見上げてくる。その甲斐甲斐しい態度にも貴臣の心が動く事は無い。顎で示すと嬉しそうに揺れた二つの瞳が貴臣のそこを見据えた。
「あむぅ、ん__(ぴちゃぴちゃ)んんぅ」
わざと音を立てながら嬉しそうに頬張る藤本に目を向ける事も無く、つまらなそうに膝の上に肘をたてて頬杖をついた。大嫌いな女なのに、どうしても言う事を聞かない自身の性欲には呆れていた。刺激されると否が応にも立ち上がる分身にため息がもれる。それを快感の吐息だと勘違いした藤本が、速度を速めるも貴臣の無言の威圧に落ち着きを取り戻した。
暗い部屋の中で視線を彷徨わせると、サイドテーブルに乗った書類が目に入る。字までは読む事は出来ないが、写真は伺い見る事が出来る。履歴書の写真・仕事中の写真・自宅で電話中の写真、そのへんを歩いているものもある。その一番上には、接客中の写真が置かれていた。眉をハの字に垂れさせて笑うその写真を見た瞬間に、かっと熱が灯る感覚がした。
「んんっ、ん__社長、たくさん出ました」
まるで自分の功績だと言わんばかりに白濁したそれを手の平に馴染ませて藤本は微笑んだ。貴臣は呆然としていた。口ではイった事が無かった。それなのに情けなくもこんな短時間で果ててしまうとは夢にも思わない。
ドクドクと心臓が高鳴っている。吐き出してしまった事による高揚感なのか否か、考えたくもなかった。
「社長?」
固まっていた貴臣を見て不思議そうに藤本が声をかける。だが、その言葉は貴臣の耳には届いていなかった。
なんだこの気持ちは・・・。気になる。あいつがどんな声をしているのか、何処で何をしているのか、どんな表情で快感に喘ぐのか。
いや、違う。__違う。このひと月半、あの女の事ばかり考えていたからだ。ただの錯覚だ。なんなんだ。私を惑わすあいつは。平凡でしかない、何も持っていないくだらん女だ。
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