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第2章 お前の毒牙になら喜んで。
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しおりを挟む「お前は魅力的だ」
誉め言葉を投げているはずなのに、沙也加は困惑した顔で首を左右に振る。その謙虚さは今は不要。紡がれるであろう否定の言葉を口にする事を許さぬように口付ける。もう何度もしてきた口付けは飽きる事無く、貴臣の脳を甘く痺れさせている。
優しくしたい気持ちと、進みたい気持ちが葛藤しながらも沙也加のショーツに手をかけた。これを許してしまうのであれば、もう止まる事など出来ない。問う様に視線を沙也加に向けた。
「__社長は私の事をどう思っているんですか?」
早口に吐き出された言葉に直ぐに返せる言葉が出てこない。なんと言うべきだろうか。この気持ちは恐らく”好き”という感情なのだあろう。しかし好きという言葉では伝えきれない黒くドロドロとした感情も混じり、表現し難いこの気持ちは何だと言うのだろう。
「____なんと言って欲しいんだ?」
「社長の言葉が欲しいです」
私の言葉に何の意味がある。これまで過ごしてきた罪深き過去と、傷つけてきた人間の骸が山のように積み重なっている。目的の為ならやり方を厭わなかった。その為についた沢山の嘘は、この口で紡いできたものだ。そんなものから出てくる言葉になんの価値があるのか。
様々な感情がぐるぐると回る頭のまま、思ったままを口にしていた。
「・・・・だ。私は一生一人で生きていく」
何を言っていたのかわからない。ただ思い出したくない過去を・・・。痛む頭に目をつむって、無言の沙也加に視線をやると目が合った。両の目から綺麗に涙を流す沙也加に、これまで以上の想いが込み上げる。そう、私は誰も愛せないはずだったし、誰かを求める事などあり得ないはずだったのに。
「___そのつもりだったんだ」
涙を流す沙也加が手を伸ばして貴臣の頬に触れると、優しく温かな気持ちが流れ込んでくるようだった。もう、独りじゃないよと言っているようで。泣き止まない沙也加の涙を拭ってから沙也加の身体を抱えた。
驚いている様子だが、そんな事どうでもよかった。そのままベッドルームに向かって沙也加をベッドへと下ろす。
見上げてくる瞳は不安げに揺れている。タガが外れてしまったかのように、想いが溢れ出してくる。胸が詰まる程の強い想いが、貴臣の決意を突き動かしていた。
「一度しか言わないから、よく聞いておけ」
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