Sランクの男は如何でしょうか?【R18】ー貴臣sideー※休載中

キミノ

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第4章 お前と共にあるために。

4-7

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 引きこもりのように自宅にいる生活は終わった。自宅にいる理由を失ってしまったから。だが、それはマイナスではない。初めからマイナスだったこの出会いをプラスに変えるために、私のことを過去になどさせないように。



「お呼びでしょうか?」

 後ろに青木を従えた司が社長室に入ってくる。あれからの様子は報告で聞いているし、真面目で正義感の強い男だ。おそらく負い目を感じているだろう。

「座れ」

 顎でソファを示すと気まずそうに小さく頷いてから、司はソファに腰をおろした。何を言われるかと不安そうにこちらを伺い見る司を無視して書類に目を通す。まだ役者が揃っておらぬとは教えてやらずに。


 コンコン

 数分も経たずに扉が鳴ると、誰だかわかりきっていた貴臣は入室を許可した。コツコツと鳴るヒール音と共に現れた人物には、綺麗に塗られたメイクでも隠しきれない疲労が見えた。一週間の休暇を与えていた。そこで何を考え、悩んでいたかなど本人にしかわからぬことである。

「藤本さん・・・」

 入ってきた人物に司はため息のように名前を呼んだ。私よりもずっと彼女を見てきたからこそわかるものがあるのだろう。


「お前たちに支店を任せたいと思っている」

 二人の表情に益々の困惑が見える。

「___左遷というものですか?」

 さすがしっかりとした女だと思わず口角に力が入ってしまった。このくらい強くないと任せられんからな、・・・弱い弟は。


「残念だが、昇格だ。アメリカ支店が決まった。今後の我が社が世界規模でさらに発展するための足掛かりだ。そこをお前たちに任せる」

「それは俺よりも適任が「口答えは許さん。成長してこい。大谷家の男として、大切な者を守るための男として。お前たちのしたことなど私にとっては何の問題もないこと。兄として、お前のこれからに期待している」

 口をぽかんと開けたまま、司は固まっていた。それは藤本や青木も同じだった。三人の視線の先は貴臣で、その表情は柔らかくこれまで見せたことのない温かなものだったから。綺麗な歯が薄い唇に吸い込まれるまでみんな黙りこくっていた。


「さあ、時間は無いぞ。来週には向こうに行け。オフィスも一からお前たちで作り上げろ。以上だ」

 パンと急かすように叩いた貴臣の両手はじんと痛むが、三人の期待と不安に揺れた表情は我が子を見る様な気持ちにさせた。


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