Sランクの男は如何でしょうか?【R18】ー貴臣sideー※休載中

キミノ

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第4章 お前と共にあるために。

4-10

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 振り返ろうとする沙也加の身体を制すために触れた手は、震えてしまっていたかもしれない。それよりも震えていた華奢な両腕を、人目憚らず抱き締めてしまいたかった。

「匠を選ばなかったのか?」

「___はい」

 震える声はか細く、心臓の奥を小さく鳴かせる。

「何故だ?」
 
 ここにいるという事の意味をわかってはいた。しかし、離れていた時間を確信に変えられる理由が欲しかった。


「一生、片想いすると決めたので」

 勘違いでなければいい。自惚れでなく、お前も同じ気持ちでいてくれたら。


「___そうか。では、これは受け取って貰えないか?」

 この苦しい程の想いで壊してしまわないように、優しく沙也加の左腕を持ち上げる。腕に拒否を示す力は込められていない。ポケットから取り出したそれを白く綺麗な指に通し、ここに誓う。

 必ず幸せにする。これまでの罪もなにもかも背負って、愛しいお前を抱き締める。二度と放さない。

 腕の中で沙也加の体温が上がるのを感じて、思わず笑みがこぼれていた。
沙也加に出逢わなければ、愛おしい者をこの腕の中に抱けることにこんなにも喜びがあるだなんて一生気付けなかったかもしれない。


「悪かったな、遅くなって。 事務員から社長夫人に昇格してやる。返事は・・・いらないな」



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