日常に非現実を加えて

LEYZis

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非現実へ

日常が変わる時

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「ねぇ、このアニメの出来事が実際に起こったら、どんなに楽しいかなぁ」



 俺は霧島咲也。高校2年、帰宅部だ。少々不安でいろいろあった高校生活も、2年目にしてだいぶ落ち着いてきた。勉強は嫌いだが、ある程度の知識は身につけているようにしている。あぁ、身についているとはいっていない。でも、だからといって世間一般でいう「頭が悪い」という訳ではない。そう。ごく普通の部類だろう。ちなみに、俺が帰宅部なのは運動が出来ないからではない。なんて言うか俺は、大声で仲間とコミュニケーションをとったり、すごく体を動かすというのが似合わないような気がしたからだ。だからといって、静かに活動する文化系もいまいち。だったら帰宅部でいいじゃないか、となった。

 誇り高き帰宅部として、今日も放課後の活動「帰宅」を開始する。
「お~い、待てよ咲也~!」
振り向くとそこにはサバサバした髪の男子が走ってきた。
「遅いぞ拓磨、あまりに遅いから先に帰ろうと思ってたとこだ。」
「少しぐらい待ってくれる気持ちはないのか?いつもより10分遅いだけじゃないか。」
「俺は10分もあればいろんなことが出来ると思うけどな。」
「お堅い野郎だぜ。」
こいつは友人の本條拓磨。運動神経バリバリの帰宅部。なんてもったいない、持ち味の早い走りでサッカーでもやってればいいのに。まぁ、本人曰くここがいいと言うから何も言わないが。
「それよりさ、あのアニメみたか?前にオススメしたやつ。」
「あぁ、見たさ。おもしろかったよ。」
「その感想しか聞いたことがないぜ。他になんかないのかよ。」
歩きながら昨夜見たアニメをぼーっと思い出していた。
「他にって言ってもなぁ、戦闘のときの音楽が良かった。とか?」
「内容の褒めが聞きたかったぜw」
こんな感じで、毎日下校している。



「じゃあな」
「おう」
軽く交わした挨拶のあと、俺は家のドアを開けた。
「ただいま~っと」
脱いだ時に転がったローファーを直して、リビングに入る。
「おかえり咲也、夕飯できるからお風呂済ましちゃって」
母親がそう言ってフライパンを動かしていた。
(今日はハンバーグか、美味そうだな)
「今入ってくるよ」
2階にカバンを置き、小走りで風呂場にいく。
ザバンッ「ふーっ。」
いつも思うが、なぜ風呂に入るとこうため息がでてしまうのだろう。心身ともにリラックスしているからか。
ササッとからだを洗い、急いで風呂から上がりリビングに向かった。
「お~、今日はハンバーグか」
「久しぶりにね、咲也の好物でしょ」
「うん、いただきます」
美味いとしかいえない。溢れる肉汁、たまらない。
「そういえば、最近学校は?」
「特になにも、悪いこともない」
「そう、ならいいわ」
軽く話してまた食事にもどる。いつもこんな感じだ。


「ごちそうさま」
食器を台所持っていき、洗いを頼むとすぐに2階の部屋に向かった。
「さて、とっとと課題やるか」

カカカッ。すぐさまペンを動かした。今日は課題が終わり次第、またアニメを見ようとしていた。そのアニメは普通の日常を過ごしていた高校生が、突如として現れた魔物に襲われ、魔法を使う少女に助けてもらう、といったファンタジー要素の物語だ。今日のはその主人公が自身の力が目覚めて、異世界へと旅に出るという回だ。

「うし、これでおわったな。それじゃっと」
机の電気を消し、テレビの電源を入れる。
「あ~、これも見てなかったな。」
溜まった録画を見ながら、目当てのアニメを探す。
「よし、見つけた。ひとつ見ても遅くはならないな」
時計を確認して、アニメを見始めた。

(こんな世界、アニメしかないよな)


翌日、
「おはよう」
「おはよう、早く顔洗ってきなさい」
夜更かしはしてないからしっかりと起きれた、寝起き時は開きにくかった目も顔洗いによってしっかりと開くようになった。
「いただきます」
2人は手を合わせ、朝食を食べる。
「今日は午前中は晴れるところが多いですが、午後には曇りが広がり夕方には嵐になるところがありそうです、お帰りの際は十分お気をつけ下さい。」
テレビの天気予報士がそういった。
「今日はいつも通りの時間にくるの?」
「うん、とくに何も無いだろうし」
その時はいつも通り、拓磨と帰ってくるだろうと思っていた。
「そう、遅くなるようなら連絡いれてね」
「うん、そうするよ」

支度をして玄関を出る。
「いってきます」


「おっ咲也、おはっす!」
「おう、おはよう」
いつもの道を歩き学校に向かう
「あのアニメはやっぱりいいね」
「言葉は違うが、いってることは昨日と変わらんぞ?」
「それだけいいってことさ」
「なんだそれw」
今日もまた、いつもの日常がはじまる。

そう、これが俺にとっての日常。






「もし、普通と思っていた日々が突如としてなくなって、別の形として過ごすことになったら、はたして人はどのようにするのか。」
ニヤッと笑い、その人は空を見上げた
「僕はきっと、楽しんでくれるとおもうよ!だって、こんなに楽しい世界になるんだもん!」


【1話   END】
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