日常に非現実を加えて

LEYZis

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非現実へ

普通ではない時

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風も爽やか、今朝のテレビで言ってた予報の嵐なんかこないのではないかと思ってしまうくらいの快晴の朝。いつものように拓磨と2人で登校していた。

「お、今日も張り切ってるね」
「ああいう人、アニメにしかいないと思ってたよ」
2人が言う人とは、腕に腕章をつけしっかりと制服を着て、校門前で腕を組み登校してくる生徒一人一人に挨拶をしているひとりの女子生徒のことだ。そう、風紀委員長様である。

「おはよう!二人とも!」
笑顔で指を指し、挨拶をしてきた。
「おはようございます」
「ぅい~っす」
「む、コラ本條!挨拶はしっかりとしろと前から!」
「あ~、すいませんって」
これもよく見るやり取りだな。
「ん?あ、霧島!ネクタイが曲がっているぞ!」
そんな細かな所まで見てるとはね。恐れ入るよ。

「あんなでも学校じゃ人気高いしなぁ」
「?、あぁ美川さんのこと?」
美川遥香、言ったように風紀委員の委員長。彼女は常に風紀に乱れがないか気にしている。成績もよく、運動もできる。まさに完璧ともいえる人だろう。
「パッと見すごく厳しそうだけど、どこか優しさで溢れてて、それで・・・」
拓磨は感情に支配されやすいらしい。こうなるといつまでも喋っているような・・・


今日もいつものように授業が始まり、毎時間変わる問題の指名を先読みして、自分の当たるところを完璧にしていった。
「よし、正解だ。」
この言葉を絶やさないよう、日々努力をしている。もちろん、当たるところ以外もやっているぞ。
「よ~し、じゃあ次は・・・。フンッ!」
俺の後ろの席に向かってチョークの弾丸が放たれた。
「あたっ!」
「俺の授業で寝るとは、いい度胸だなぁ、本條・・・」
「い、いやぁ、すいません!」
「望み通りここからはお前に当て続けてやる」
「うぅ・・・。勘弁してくださいぃ」
このやり取りのあと、決まってクラスに笑いが起こる。俺はやれやれ、と思いその笑いに混ざる。これもよくある事だな。

昼食になり、後ろに机を動かした。
「くぅ~、やっぱり辛い」
「寝なきゃいいんだよ」
「気づいたら寝てるんだよ、この気持ち、わかる人多いと思うよ」
カバンから弁当を取り出し、割り箸を割った。すると隣の方から、
「夜更かしでもしてるんじゃない?」
と、女子生徒が入ってきた
「そんなことはない!昨日はちゃんと3時半に寝たぞ!」
「それを夜更かしって言うの」
彼女は松木彩華。高校に入ってから知り合った。俺たち二人とよく話をし、遊んだりもした。この3人が、いつものメンバーって感じだ。
「どうしたの?咲也君、ぼーっとしてるよ?」
「たしかに、なんかあったのか?」
「いや、特に。ただ、今日の弁当はおいしそうだなってね」
「なんだそりゃw」
そうか、ぼーっとしてたか。自分でも言われるまで気づかなかったかもな
「まぁ、いつもの咲也君かな」
「ははっ、だな」
それもどうかと思うけどなぁ・・・
「そういえば、今日の夕方天気良くないんだっけ?」
「あぁ、そんなこともいってたね。あ、部活か」
そう、彩華は陸上部に所属している。こういった昼休みとかはいっしょだが、帰りに彼女がいないのは、その部活があるからだ。
「あの先生が顧問だろ?嵐の中でも走らされそうじゃね?」
「その可能性が高いよね、きついよぉ~」
と言ってぐた~っと机に倒れた
「まぁ、流石に嵐なら室内に移されるでしょう」
「だといいけど・・・」


午後の授業はいつものようにあまり頭にはいってこなかった。となると、2人が言ってたようにまた、ぼーっとしているのだろう。
「おいっ咲也。寝てんじゃねーぞ?」
後ろからシャーペンでつつかれた
「拓磨に注意されるなんてね」
「まぁ、たしかにあの先生の授業は眠くなるけどなw」
催眠術のようにやさしく語りかけてくる国語のおじいちゃん先生。寝てる生徒がいてもあまり注意をしない。けど、それが逆に申し訳なさを感じさせ、普段より寝てる人が少ない。
「はぁ。」
ため息をつくとリラックスするのか、体の力が少し緩む。そして、いつものようにこう思ってしまう。

「なにか、日常が変わるようなことが起こらないか」

別に病んでいるわけでもなく、悩みが多い訳でもない。ただ、あまりにも同じような普通の生活が続くと、そう思ってしまう。
俺はどこかで新しい刺激のようなものを欲しているのかもしれない。

「じゃあ、また明日ね」
午後の授業が終わり、放課後の活動にみんなが移っていった。彩華もカバンを持ち、校庭に走っていく。
「風邪ひくなよ~!」
「ありがとう!今日はちゃんと早く寝なよ~!」
「あいつ、母ちゃんじゃあるまいし」
その隣で、俺は教材などをカバンに押し込んでいた。
「うしっ、帰るぞ」
「今日はなんもないのか?」
「昨日は購買よっただけだ、今日はそのまま帰るよ」
ローファーを下駄箱から出し、傘立てから傘をとった。
「げ、おれのどっちだ?」
「拓磨のは取っ手に2本の傷がついてるやつだ」
「おおう、なぜ知ってる」
「傷がついたぁーって言ってたのはそっちだ」
空が曇っていた。いかにも雨が降りそうな感じだった。
「こりゃ、降るな」
拓磨がそういうと、俺は西の方を見て、たしかに降りそうだと思った。
少し歩いて、信号が赤になって止まっている時、おれはふと拓磨にこう言った
「なぁ、拓磨。お前はこの世界をどう思う?」
突然のことに拓磨はキョトンとしていた
「な、どうした?悩みでもあるのか?」
「いや、変なことだとは思うけどさ。ちょっとね」
たしかに、急にそんなことを聞かれたら誰でもそいつを心配する。
「珍しいな、そんなこと聞くなんて。ん~、そうだなぁ。」
考えてくれるだけありがたい。
「ちょっと退屈なとこがある、か?」
以外にも俺と似たようなことを言った
「そうか、拓磨もそう思うか」
「ってことは、咲也か?」
「あぁ、こんな日々が嫌ってわけじゃないんだが、なんかな」
退屈な日々を送っていた主人公が、ふとその気持ちを呟いた時、目の前に神様が現れて異世界へと招待される。そして、その世界ではいろんな出会いがあり、冒険したりしていく。そういった物語を俺はいくつも見てきた。そして俺はその物語に憧れていた。
「もしかして、アニメみたいに異世界転生したいとか?」
「できるもんならしてみたいね」
「ははっ、たしかにな」
信号が青になってまた歩きだそうとした、そのとき時だった。

「異世界転生かぁ、それはちょっとできないかなぁ~」

「・・・!」
2人に少年のような声が聞こえた
はっとして、その声のトーンから子供か?と思い目線を下に動かした。が、誰もいなかった。

「でも、この世界をもっと面白くすることならできるなぁ」

次は声がした方向に目を向けた、だが冷静に考えたらそんな方向から声がするなんてありえない。そう、2人は空の方を見たのだ。

「やぁ、咲也君、拓磨君」
その少年はあぐらをして宙に浮いていた。しかも逆さまで
「・・・・・は?」
「なっ・・・・・」
2人は突然の出来事になにも言えなくなった
「はじめまして♪僕はシグマっていうの。この世界の神様だよ♪」

【2話   END】
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