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後日談
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「……でさ!おばさんがね、調味料適当に入れてキノコ美味しくしたんだよ?」
お父さんがここ三日、早く帰って来れるようになった為、僕は家に帰った。
夕食の時、一週間の出来事を話した。キノコの話は僕も驚いたんだ。父さんも驚かないはずがない。
「まあ、姉さんの調味料の入れ方は昔っからだからね。なんとも言えないけどさ、その調味料のレシピ教えて欲しいなぁ。」
「なんで?」
「だって、キノコが安かった時使えるからね。」
父さんは静かに笑った。
僕は、「でも毎回同じ味じゃ飽きるよ!」そう答えた。
「そうだねぇ。」
「そうだ!母さんどうしてるの?」
父さんはニコニコしながら答えた。
「元気にしてるよ。もう少しで弟ができるだね、弥之助は。」
「僕お兄ちゃんになるんだ。なんか全然そんな感じしないや。」
ラーメンをズズっとすすった。父さんはフフフっとずっとニコニコしている。
僕は父さんみたいにずっとニコニコして、優しい人が弟だったらどんなにいいだろうかと思ったけれど、これは言わないでおこう。恥ずかしいのが正直な気持ちだけど、これは僕一人だけの秘密。
(終わり)
お父さんがここ三日、早く帰って来れるようになった為、僕は家に帰った。
夕食の時、一週間の出来事を話した。キノコの話は僕も驚いたんだ。父さんも驚かないはずがない。
「まあ、姉さんの調味料の入れ方は昔っからだからね。なんとも言えないけどさ、その調味料のレシピ教えて欲しいなぁ。」
「なんで?」
「だって、キノコが安かった時使えるからね。」
父さんは静かに笑った。
僕は、「でも毎回同じ味じゃ飽きるよ!」そう答えた。
「そうだねぇ。」
「そうだ!母さんどうしてるの?」
父さんはニコニコしながら答えた。
「元気にしてるよ。もう少しで弟ができるだね、弥之助は。」
「僕お兄ちゃんになるんだ。なんか全然そんな感じしないや。」
ラーメンをズズっとすすった。父さんはフフフっとずっとニコニコしている。
僕は父さんみたいにずっとニコニコして、優しい人が弟だったらどんなにいいだろうかと思ったけれど、これは言わないでおこう。恥ずかしいのが正直な気持ちだけど、これは僕一人だけの秘密。
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