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-人間種はじめました 草原の街-
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俺はルシカ。元魔族だ。
いや、元旧魔族だ。
街に向かう道中、爺様に色々と教えてもらった。
まさか俺が最後の魔族だったとは。
あの新しい勇者が来る前に追い返した勇者達が大半の魔族を滅ぼしていたらしい。
あの程度に奴らに負けるとは、情けないやつらだ。
その後、人が世を制していたが再び魔に堕ちた者が現れた。
そいつらが新生魔族。今の魔族だな。
俺はその時まだ生きていたんだが、既に旧魔族という扱いになっていたようだ。全くもって腹立たしい。
そしてやって来た新しい勇者に倒されたわけだが、なんとその新しい勇者は異世界人だったらしい。
なんでもある時を境に変な格好をした奴らがどこからともなく現れて新生魔族の勢力をある程度抑えたとかなんとか。
そいつらは自分は異世界から来たと言っていたらしいが、普通そんな事誰も信じはしない。
ただ、助けられた事もあって勇者としてチヤホヤしてたが、またある時を境にぱったりと見なくなったんだと。
時期的に考えると俺が奴らに倒されたのはこの見なくなったといわれている後だな。
ふむ。と言う事は俺の城の辺りに流れてきたのかもしれないな。
今考えると結構辺鄙な場所だったからな。
とにかくそんな世の動きがあって今は大きな戦乱も無く平穏な世になっているみたいだ。
そういうことならとりあえず前の城がどうなったか見に行くのもいいかもしれない。
うむ、当面の目標はそれにしよう。
爺様の荷物を持ってやり街に入る。
周りに草原が広がる良い街だ。人の活気もある。
荷物を運び終えると爺様がちょっとした金をくれた。駄賃だとさ。長生きしろよ爺様。
爺様が旅をするならまずは冒険者になるといいと言っていたので冒険者ギルドに行く。
冒険者ギルドか。
生前にもあったのは知っている。
入るとガラの悪い奴らが絡んできてひと悶着した後にリスキーな仕事を請ける場所だ。
俺ならそんな仕事でもやれる。人間になっていようがただの人間よりは優秀なはずだからな。
ここか。冒険者ギルドは。
思ったより綺麗だし何よりでかい。
周りにガラの悪い奴がたむろしてたりもしないな。本当にここが冒険者ギルドなのか?
とりあえず入ってみるか。
あれよあれよといううちに初心者冒険者として登録されてしまった。
入り口でガラの悪い奴を倒すのが最初だと思っていたのに、まだ一回も戦っていない。
何でもこれから適性訓練をするらしい。
受付のお姉さんに言われるがまま移動し、武具を貸し出された。
これはそのうち返せばいいらしい。
持ち逃げしたり金にしたりしないのか?しない?なんでだ?そのうちわかる?そうか。
とりあえず適性訓練の試験官と戦う事になった。
ふむ。木剣を相手の防具に当てればいいんだな。よし、やってみるか。
数秒もかからなかった。驚かれた。
あのな、幾ら見た目が若いからって見くびりすぎだろ。
次は魔法の適性訓練?いいけど。次はちゃんとやってくれよ?
驚かれた。
自由に曲がるファイアボールを撃っただけなんだが。
最近の若い子はハイレベルすぎる、みたいな会話が聞こえる。
ふーん、俺以外にも驚かれるような奴がいるのか。そのうち会えるだろうか。
適性訓練を終えてその日はギルド付属の宿泊施設に泊まることになった。
なんだここ、凄く充実している。
それこそ前の俺の城ぐらい、いや、もっと良いかもしれない。
これは俺が驚かれるような新人だったからか?違う。皆これぐらい普通。そうか、変な事を聞いた。
うーむ。俺が復活するまでの間に色々なものがかわったようだ。
落ち着いたら街の中もしっかり散策した方がよさそうだ。
翌日、俺は先輩冒険者の徒党に混ざって冒険者の依頼をこなす事になった。
と言っても所謂見学だ。
先輩冒険者達の仕事をその身で感じて学ぶのが目的のようだ。
なるほど。準備が大事なんだな。
街の外に出てスライムが発生しているところに行く。
なあ、スライムの核を打ち抜けばいいだけじゃないのか?
また驚かれた。そんな変な事聞いたか?常識だろそんなの。驚かれた。
なんでも今回の依頼はスライムを追い払う仕事らしい。
ん?どういうこと?
追い払うのと倒すのは別の仕事で、今回は適度に刺激してここから先に行かないようにするだけの仕事らしい。
え、ギルドはそんなに事細かな指示をしてくるのか?
ほうほう。討伐も最低数と上限数があるのか。最低数を倒すと依頼達成なのはわかるが上限数ってなんだよ。
は?上限数越えて倒すとペナルティがある?
なんでそんな事してんだよ。よくはわからない?そうか。
とにかく討伐の時はギルドの上限数には気をつけるんだな。わかった。
先輩冒険者に言われて少しスライムを追い払うのを手伝った。
これ逆に難しいな。危うく倒してしまいそうになる。
あのさ、俺が戦っている後ろで変な応援するのやめてくれないかな。気が散る。うん。いや、気持ちは嬉しいけど。効果?何の話だ?
聞くと今の応援は鼓舞する魔法の一つで身体能力を上げることが出来るらしい。
そういうことか。
俺は既に自己強化の魔法をかけて戦っている。
それより効果の薄いものをかけても効果を感じないのは当然だ。
とりあえず俺に残りを任せないでくれ。倒してしまいそうで逆に難しいんだ。
ギルドに帰ると受付のお姉さんに誇大報告していたので後で修正した。嘘はよくない。
修正したらお姉さんが頭を撫でてくれた。子供扱いしないでほしいんだが、黙って受け入れる。貴重な女と触れ合う機会だからな。
ひとまずこれで冒険者としての最低限の事は分かった。
準備はしっかり。ギルドの指示には正しく従う。徒党を組むのは面倒。そんなとこだな。
さて、晴れて冒険者になって手元に少し報酬が入ったことだし、明日は街を見てまわるかな。
何か街の依頼もあれば一緒にやるのがいいかもしれない。
うーん。俺が復活するまでの間に世は相当変わった。
まず飯が美味い。
ギルドで食った飯も美味かったが街で売ってるちょっとしたものまで美味いとは。
俺が城で食ってた飯は最高級だったはずなんだが、それより露天で買ったものの方が美味い。
なんでも勇者のおかげで美味しくなったと皆言う。
他にも街を見ていくと色々知らないものが増えている。
冷蔵庫とかいう保冷庫が飲食店には必ずと言っていい程配備されていたり、石鹸や洗剤という洗う道具も進化していた。
その中でも気になったのが銭湯という身を清める場所。
なんでもお湯に裸で入る場所らしい。
ということは合法的に女の裸が見れるのか!
そう思って意気揚々と入った。
騙された!男女別なんて聞いてない!
あーあ。貰った報酬が殆ど無くなってしまった。
でもお湯に浸かるというのはなかなか気持ちのいいものだった。
一緒に入ったオッサン達から有意義な話も聞けたし、毎日とはいかないがたまになら来てもいいか。
風呂に入る身奇麗な男の方が女にモテるってオッサンも言ってたし。
とりあえず懐も寂しくなってしまったからギルドに帰るかな。
ギルドに帰ると受付のお姉さんが身綺麗にして偉いと頭を撫でてくれた。これが銭湯の効果か、凄いぞ銭湯。
与えられた部屋に戻り、布団に横になる。
うーむ、本当にここは俺のいた世界なのだろうか。
そんな風に思わせるぐらいこの世は変わっていた。
俺の居たところから遠い場所だからなのだろうか。
いや、それなら言葉がわからないはずだからな、同じ世界なんだろう。
それにしたって変わりすぎだろう。
このギルドだってそうだ。こんな布団に寝られるとは思わなかった。
やはり全ては勇者の影響というものなのだろうか。
俺を倒したあのいい子ちゃん達が世をここまで変えたのか。
・・・ふふ、それはそれで面白い。
よし、それなら奴らがどれだけ世を変えたか見せてもらおうか。
とりあえず先立つものが無いとどうしよもないから明日は何か依頼を請けてみるか。
いや、元旧魔族だ。
街に向かう道中、爺様に色々と教えてもらった。
まさか俺が最後の魔族だったとは。
あの新しい勇者が来る前に追い返した勇者達が大半の魔族を滅ぼしていたらしい。
あの程度に奴らに負けるとは、情けないやつらだ。
その後、人が世を制していたが再び魔に堕ちた者が現れた。
そいつらが新生魔族。今の魔族だな。
俺はその時まだ生きていたんだが、既に旧魔族という扱いになっていたようだ。全くもって腹立たしい。
そしてやって来た新しい勇者に倒されたわけだが、なんとその新しい勇者は異世界人だったらしい。
なんでもある時を境に変な格好をした奴らがどこからともなく現れて新生魔族の勢力をある程度抑えたとかなんとか。
そいつらは自分は異世界から来たと言っていたらしいが、普通そんな事誰も信じはしない。
ただ、助けられた事もあって勇者としてチヤホヤしてたが、またある時を境にぱったりと見なくなったんだと。
時期的に考えると俺が奴らに倒されたのはこの見なくなったといわれている後だな。
ふむ。と言う事は俺の城の辺りに流れてきたのかもしれないな。
今考えると結構辺鄙な場所だったからな。
とにかくそんな世の動きがあって今は大きな戦乱も無く平穏な世になっているみたいだ。
そういうことならとりあえず前の城がどうなったか見に行くのもいいかもしれない。
うむ、当面の目標はそれにしよう。
爺様の荷物を持ってやり街に入る。
周りに草原が広がる良い街だ。人の活気もある。
荷物を運び終えると爺様がちょっとした金をくれた。駄賃だとさ。長生きしろよ爺様。
爺様が旅をするならまずは冒険者になるといいと言っていたので冒険者ギルドに行く。
冒険者ギルドか。
生前にもあったのは知っている。
入るとガラの悪い奴らが絡んできてひと悶着した後にリスキーな仕事を請ける場所だ。
俺ならそんな仕事でもやれる。人間になっていようがただの人間よりは優秀なはずだからな。
ここか。冒険者ギルドは。
思ったより綺麗だし何よりでかい。
周りにガラの悪い奴がたむろしてたりもしないな。本当にここが冒険者ギルドなのか?
とりあえず入ってみるか。
あれよあれよといううちに初心者冒険者として登録されてしまった。
入り口でガラの悪い奴を倒すのが最初だと思っていたのに、まだ一回も戦っていない。
何でもこれから適性訓練をするらしい。
受付のお姉さんに言われるがまま移動し、武具を貸し出された。
これはそのうち返せばいいらしい。
持ち逃げしたり金にしたりしないのか?しない?なんでだ?そのうちわかる?そうか。
とりあえず適性訓練の試験官と戦う事になった。
ふむ。木剣を相手の防具に当てればいいんだな。よし、やってみるか。
数秒もかからなかった。驚かれた。
あのな、幾ら見た目が若いからって見くびりすぎだろ。
次は魔法の適性訓練?いいけど。次はちゃんとやってくれよ?
驚かれた。
自由に曲がるファイアボールを撃っただけなんだが。
最近の若い子はハイレベルすぎる、みたいな会話が聞こえる。
ふーん、俺以外にも驚かれるような奴がいるのか。そのうち会えるだろうか。
適性訓練を終えてその日はギルド付属の宿泊施設に泊まることになった。
なんだここ、凄く充実している。
それこそ前の俺の城ぐらい、いや、もっと良いかもしれない。
これは俺が驚かれるような新人だったからか?違う。皆これぐらい普通。そうか、変な事を聞いた。
うーむ。俺が復活するまでの間に色々なものがかわったようだ。
落ち着いたら街の中もしっかり散策した方がよさそうだ。
翌日、俺は先輩冒険者の徒党に混ざって冒険者の依頼をこなす事になった。
と言っても所謂見学だ。
先輩冒険者達の仕事をその身で感じて学ぶのが目的のようだ。
なるほど。準備が大事なんだな。
街の外に出てスライムが発生しているところに行く。
なあ、スライムの核を打ち抜けばいいだけじゃないのか?
また驚かれた。そんな変な事聞いたか?常識だろそんなの。驚かれた。
なんでも今回の依頼はスライムを追い払う仕事らしい。
ん?どういうこと?
追い払うのと倒すのは別の仕事で、今回は適度に刺激してここから先に行かないようにするだけの仕事らしい。
え、ギルドはそんなに事細かな指示をしてくるのか?
ほうほう。討伐も最低数と上限数があるのか。最低数を倒すと依頼達成なのはわかるが上限数ってなんだよ。
は?上限数越えて倒すとペナルティがある?
なんでそんな事してんだよ。よくはわからない?そうか。
とにかく討伐の時はギルドの上限数には気をつけるんだな。わかった。
先輩冒険者に言われて少しスライムを追い払うのを手伝った。
これ逆に難しいな。危うく倒してしまいそうになる。
あのさ、俺が戦っている後ろで変な応援するのやめてくれないかな。気が散る。うん。いや、気持ちは嬉しいけど。効果?何の話だ?
聞くと今の応援は鼓舞する魔法の一つで身体能力を上げることが出来るらしい。
そういうことか。
俺は既に自己強化の魔法をかけて戦っている。
それより効果の薄いものをかけても効果を感じないのは当然だ。
とりあえず俺に残りを任せないでくれ。倒してしまいそうで逆に難しいんだ。
ギルドに帰ると受付のお姉さんに誇大報告していたので後で修正した。嘘はよくない。
修正したらお姉さんが頭を撫でてくれた。子供扱いしないでほしいんだが、黙って受け入れる。貴重な女と触れ合う機会だからな。
ひとまずこれで冒険者としての最低限の事は分かった。
準備はしっかり。ギルドの指示には正しく従う。徒党を組むのは面倒。そんなとこだな。
さて、晴れて冒険者になって手元に少し報酬が入ったことだし、明日は街を見てまわるかな。
何か街の依頼もあれば一緒にやるのがいいかもしれない。
うーん。俺が復活するまでの間に世は相当変わった。
まず飯が美味い。
ギルドで食った飯も美味かったが街で売ってるちょっとしたものまで美味いとは。
俺が城で食ってた飯は最高級だったはずなんだが、それより露天で買ったものの方が美味い。
なんでも勇者のおかげで美味しくなったと皆言う。
他にも街を見ていくと色々知らないものが増えている。
冷蔵庫とかいう保冷庫が飲食店には必ずと言っていい程配備されていたり、石鹸や洗剤という洗う道具も進化していた。
その中でも気になったのが銭湯という身を清める場所。
なんでもお湯に裸で入る場所らしい。
ということは合法的に女の裸が見れるのか!
そう思って意気揚々と入った。
騙された!男女別なんて聞いてない!
あーあ。貰った報酬が殆ど無くなってしまった。
でもお湯に浸かるというのはなかなか気持ちのいいものだった。
一緒に入ったオッサン達から有意義な話も聞けたし、毎日とはいかないがたまになら来てもいいか。
風呂に入る身奇麗な男の方が女にモテるってオッサンも言ってたし。
とりあえず懐も寂しくなってしまったからギルドに帰るかな。
ギルドに帰ると受付のお姉さんが身綺麗にして偉いと頭を撫でてくれた。これが銭湯の効果か、凄いぞ銭湯。
与えられた部屋に戻り、布団に横になる。
うーむ、本当にここは俺のいた世界なのだろうか。
そんな風に思わせるぐらいこの世は変わっていた。
俺の居たところから遠い場所だからなのだろうか。
いや、それなら言葉がわからないはずだからな、同じ世界なんだろう。
それにしたって変わりすぎだろう。
このギルドだってそうだ。こんな布団に寝られるとは思わなかった。
やはり全ては勇者の影響というものなのだろうか。
俺を倒したあのいい子ちゃん達が世をここまで変えたのか。
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