迅雷少女の配達屋さん~愛され少女の異世界ライフ~

ひょーう.CNP

文字の大きさ
12 / 44
1章 異世界に来た

11話 魔力の扱い方

しおりを挟む
「さて、話が逸れてしまいましたので戻しましょうか。カオリさんは雷属性を持ちつつも攻撃手段が無いようなので、冒険者ランクはGスタートになります。Fランクに昇格する際は魔物への対処が可能かどうかの試験を行いますので、ご了承ください」
「分かりました、ちなみにGランクで受けられる依頼はどんな物ですか?」
「そうですね、お店の臨時店員だったり、農家の手伝いだったり、草むしりや配達等、お手伝いやサポート要員のようなお仕事が多いです」
「なるほど、分かりました!」

 こうして聞くと、バイト的な依頼が多そう?
 これらなら私でも出来そうなのがありそうだね!
 実際転生する前はお弁当配達やってたし、配達とかやってみてもいいかも?折角マッピングスキルで道が分かるし、力持ちスキルやアイテム袋があるからね!

「さて、冒険者カードもこれで作れますので、話が終わったのであれば訓練室を使ってくれても構いませんよ?」
「そうだな、話す事は全て話したから訓練室に行くとしようか」
「かしこまりました、カードが出来たら届けますね!レイナさん達なら分かってるので大丈夫だとは思いますが、利用時間は最大3時間なのでお間違えなく!訓練室は5番です」
「了解した、行こうかカオリ」
「はい!」

 私達は訓練室5番へと向かった。
 訓練室は地下にあるようで、階段を降りると一直線に長い廊下が見えた。
 訓練室5番と書かれた部屋を見付け中に入ると、縦横30m×高さ10m程あるかな?と思われる広い部屋だった。
 最後に入ってきたソルが鍵を閉める。

「カオリ、この鍵閉めは必ずやるのよ?他人に見られたくなかったらね」
「分かりました、でもセイラさんが入れないんじゃ……?」
「大丈夫だ、職員だけが使える特殊な魔法で、室内へ呼び出しが出来たり鍵を開けられたりするからな」
「そうなんですね」

 まぁそうだよね、最大3時間って言ってたから居座る人を退室させる為に入ったりしないといけないしね。

「さて、雷属性を使いこなすんだったな」
「はい、でもどうやって使えばいいのか……」

 魔力がある事も分かったし、ウルフに襲われた時に放電したのだから、元から使えない事はなかったはず。
 ミルム様からも力を使えるようにしてもらったのだから、大丈夫だよね?実際にコール魔法は魔力を感じずにでも使えたんだし……

「まずは、魔力を感じる事だな」
「魔力を感じる?」
「そうだ、カオリの身体はまだ魔力というものを知らない状態なんだ。私がカオリに魔力を送り込むから、魔力がどんな物なのかを身体で感じてもらう。そしてその魔力をカオリの体内を巡らせるように流していくと、身体が魔力を認識してくれるようになり自分でも魔力を動かせるようになるんだ」
「なるほど……具体的にはどうすれば?」
「両手を前に出して目を閉じてくれるか?」
「こう、ですか?」

 私は両手を前に出して目を瞑ると両手を握られた、多分目の前に居たレイナの手だと思う。

「カオリ、今から両手に魔力を流すから、両手の感覚と体内の感覚に集中してくれるか?」
「わ、分かりました」
「いくぞ」

 すると、レイナの両手から温かい何かが流れてくるのを感じた、これが魔力……
 レイナの魔力が私の身体の中を巡り、元々体内にあった魔力も一緒に流れていくのも分かる。
 初めての感覚だからか、少し身体の中がムズムズとくすぐったいような……恥ずかしながら少し感じてしまう。

「んっ……」
「魔力の流れる感じは分かったか?」
「は、はい……温かい物が身体を巡っているのが分かります」
「よし、順調だな。ならその体内で流れている魔力を、私の手を意識して流すイメージをしてくれ」
「分かりました」

 体内を流れる魔力をレイナに送り返すように意識する。
 すると、体内を巡っていた魔力の流れが私の両手へと流れていくのを感じた。
 魔力が私の手に到達、そしてレイナの手へと流れた……その瞬間。

 バチッ!!

「ぐっ!」

 レイナと私の手の間に電気が流れて弾けた、いわゆる静電気の強いやつだと言えばイメージはしやすいと思う。
 レイナから声が漏れたのが聞こえて咄嗟に手を離してしまった。

「レ、レイナさん!大丈夫ですか!?」
「あぁ、大丈夫だ。雷属性と聞いていたから覚悟はしていた」

 少し手を振る仕草をするが、すぐに痛みが引いたみたいだ。
 しかし、ふとここで疑問が浮かぶ……
 レイナから貰った魔力は温かかっただけで何も無かったのに、何故私が流そうとした魔力は雷属性の効力をもったのだろう?

「なんで私が魔力を流したら静電気が?」
「それはカオリが雷属性の魔力持ちだからだ」
「それは分かるんですけど、レイナさんの魔力は温かいだけだったので気になって……」
「あぁなるほど、そう言えば私の所持属性を言っていなかったな。私は火と土を持っていて、先程カオリに火属性を凄く薄めた魔力を流したんだよ」
「……あぁなるほど!だから魔力が温かかったんですね!」

 これで疑問は解決した。
 なら、次また似たような場面になれば、雷属性を凄く薄めてやってあげないと相手を感電させちゃうって事だよね……気を付けなきゃ。

「それよりも、飲み込みが早かったからすぐ成功したな!少し時間がかかると思っていたが、カオリはもしかしたら凄い逸材かもしれない!」
「そ、そんなことないですよ……ミルム様とレイナさんのおかげです」

褒められて悪い気はしないけど、殆どは貰い物の力だしね。

「ふふ、今は分からなくてもいずれ分かるさ、カオリは凄いんだってな。それはさておき、これできっと雷属性を扱えるぞ」
「ほ、本当ですか!?」
「あぁ、手のひらを広げて前に突き出してくれ」
「あ、はい!」

 言われた通りに手のひらを広げて突き出した。

「魔力をさっきのように手のひらへ集中させてくれ」
「はい」

 先程の魔力を動かす感覚を思い出しつつ操作すると、魔力が続々と手のひらに集まっていく。
 すると、手のひらからバチバチッと音を立てて放電された。

「わっ!」
「よしいいぞ、もっと強く手のひらに流せ!」
「はい!」

 手のひらの放電が段々と強くなっていく。
 ソルも真剣な顔をしつつ、両手を握り締めてファイト!って言っているかのようにこちらを見ている。

「いいぞ!最後に、手のひらへ溜めた魔力を一気に前へ解き放て!!」
「はい!はぁぁぁぁ!!!」

 言われた通りにすると、手のひらから発生させた雷が何本もの稲妻となり正面に解き放たれた。

「!!」

 まだバチバチと電気が残る手のひらを見て、ぎゅっと握り締める。
 ようやく使えた、雷属性が!

「出来たっ!!出来たよっ!!!」

 私は飛び跳ねて喜んだ、こんなに喜んだのは……多分初めてだと思う。

「やったわねカオリ!」
「良くやった!」

 2人は私を抱き締めてくれた。

「はい!私っ、やりました!!」

 普通に考えたら、ただ自分の能力の1つが使えるようになっただけの話だけど……私には大きい1歩。
 補助スキルの時とは全然違う喜びだった。
 これまでに読んできた小説のように能力使えて当たり前ではなかったから、だからこその大きな喜びだ。
 これで自分の身を守る事が出来る、戦いたくはないけど……いざって時には戦える。

「よし、ならば1回試してみたい事があるんだ、いいか?」
「はい、何でしょう?」
「腕を伸ばしてピストルのように人差し指を突き出してみろ」
「はい!」

 ピストルでバン!と撃つように構える。

「指先に魔力を集めて、それを玉のように集められるか?しっかりイメージしてみてほしい」
「えっと……」

 指先に魔力を集めていくと、先程と同じようにバチバチと放電し始める。
 その発生した雷をボールのように丸めていくイメージをするが、集めようとしても球体になる前にバチッと弾けてしまう。

「んーっ、球体になる前に弾けちゃいます……」
「ふむ、難しそうか……電磁砲のように球を撃てたら面白そうだなと思ったのだが」

 なるほど、それって前世でも兵器として開発されてたよね。
 えっと……電磁砲、レールガン?だったかな?
 動画で見た事あるから分かるけど、確かに使えたら強そう。

「まぁ、それはまた今度にしようか。カオリ自身も戦う意思はないんだったよな?」
「はい、身を守れたり逃げる術があればいいかなと、攻撃は逃げられない場合に仕方なく程度にしておきたいです」
「なるほどな、分かった。なら身を守る方法と逃げる術をだな……どうすべきか」

 3人で考えていると、呼出音と共に声が聞こえてきた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?

朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!  「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」 王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。 不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。 もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた? 他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

処理中です...