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第4章
ピンチが続く
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悲しみと不安でいっぱいになったが、スイちゃんは順調に山頂に近づいているようだ。
「はあ、はあ、一体どこまで登ってきたのやら……」
大きな岩は少なくなってきたが、赤い小石が散らばるなだらかな丘を、ひたすら歩いている感じだ。
「また、ひとりになっちゃった」
ため息のような言葉をこぼした時、誰も答えてはくれなかったが、確かに空耳のような声が聞こえてくる気がした。
『お~い! スイ! お~い!』
それは少し懐かしい大人の声だった。
「誰かが呼んでいる?」
『お~い! スイ~……』
それはスピちゃんやオポちゃんでも、ましてやキュリオの声でもなかった。
「ひょっとして君なの?」
スイちゃんは宇宙服の中で世話してくれる小型パンダロボットにもきいてみた。
「ワタシデハ、アリマセンヨ」
確かに機械的な音声で、似ても似つかなかった。
「スイチャン。ソレヨリ、タイヘンデス」
少しずつ息が苦しくなってきた。宇宙服の中の酸素の量が急激に少なくなってきたのだ。
「どうしよう、息ができないよ。それにブザーの音が耳元でうるさくて変になりそう!」
「ガンバッテクダサイ! イソイデ、タスケヲヨビマショウ!」
パンダロボの言う通り、スイちゃんは腕についている三番目の赤いボタンを押そうとした。だけど、だんだん目の前が真っ暗になってきて、声も音も聞こえなくなってきたのだ。
「いやだ、火星でひとりぼっちなんて……。スピちゃん! オポちゃん! キュリオ!
お母さん、お父さん……」
最期に聞こえてきたのは、パンダロボの励ます声だけだった……。スイちゃんは、オリンポス山の赤茶けた岩と砂だらけの坂道に眠るように倒れてしまったのだ。
急に明るさを感じて見回すと、そこは地球だった。だって辺りは、森と山に囲まれたキャンプ場なのだから。
「ここにある川の近くで、キャンプしたんだっけ……」
スイちゃんは、すぐに分かった。ここは、夏休みの思い出にある世界。
お父さんとお母さん、それに六歳離れた弟のセイちゃんと家族でキャンプに来ていたのだ。
お母さんは、弟につきっきり。
「セイちゃん、セイちゃん、おトイレは大丈夫? もう、世話の焼ける子ね! お姉ちゃんはお皿の用意をしておいてね。私はセイと一緒に、ちょっと行ってくるわ!」
「は~い……」
スイちゃんは、お母さんとしゃべりながら、ニンジンやジャガイモを切ってカレーを作りたかったのに。
お父さんも、口にするのはセイのことばかり。
「ははは、セイはキャンプをするのは、初めてだったな。テントで寝るのは楽しいだろう。さあ、炭に火をつけるのを手伝ってくれ」
弟は嬉しそうに手を真っ黒にしながら、コンロに炭を放りこんでいた。
「私なら、うまく火をつけることもできるのに……」
スイちゃんは家族でバーベキューをする時の火起こし係だったのだ。
楽しいはずのキャンプも、主役はセイちゃん。
「セイ、虫刺されに気をつけて」
「セイ、暑くないかい? 水ならここにあるから飲みなさい」
結局、今日は一度もスイちゃんの名前を呼ばれなかったような気がする。
カレーができるまでの間、スイちゃんは川の様子を見に行こうとした。川には多くの家族連れが来ており、それぞれが楽しそうに水遊びをしていたのだ。
「お姉ちゃん、僕も連れてって」
「え~! セイはいやだ。まだ小さいもん。危ないし、置いて行く!」
「やだやだ、一緒に行くの~!」
セイちゃんは泣きまねしてまで、川へ行こうとした。
「もう! お父さんやお母さんと一緒にいなよ!」
それなのにスイちゃんは怒られた。お姉ちゃんが連れて行きなさいと。小さい子をひとりにするのは危ないと。だったらお父さんか、お母さんが川まで連れて行けばいいのに。
泣きまね上手のセイちゃんは、スイちゃんの袖を掴んだ。そして嬉しそうに、ゴロゴロとした石の上をつまずきながら歩き始めた。
「ちょっと、そんなに服を引っ張らないでよ!」
川の流れはおだやかで、思わず魚が泳いでいないか二人で目を凝らしたのだ。
「わっ! 冷た~い! お姉ちゃんも入ってみて」
セイちゃんは注意していたのに、気にせず靴のまま川に入った。最初は怖がって近寄らず、石を拾って川に投げていただけなのに。
そのうち慣れてきたのか、わんぱくぼうずは、どんどん川の中まで足を入れ始めたのだ。
「ばかっ! 靴がずぶ濡れじゃない! どうするのよ! お母さんに言うわよ」
「へへ~ん、いいよ。すぐに乾くから」
セイちゃんのわがままぶりに、スイちゃんは我慢できなくなってきた。
弟のことは無視して、スイちゃんはテーブルほどもある大きな岩を伝って川の真ん中まで行こうとした。
「お姉ちゃーん! 待ってよ~」
さっそく弟がわめいて、ついてこようとした。まだ小さいくせに。
「あんたには無理だよ。そこで見ていな」
テントのお父さんとお母さんを見ると、二人で何かを話しているようで、来てくれそうもなかった。
「もう、どうなっても知らないよ」
一つ目の岩は、弟でも簡単に飛び越した。二つ目も両手をついたが、何とかジャンプできた。ギリギリかもしれない。だが、三つ目の岩はどう考えても無理だった。六年生のスイちゃんが本気を出して、やっと水に濡れずにすむ距離だったのだ。
「さあ、来てみなよ」
スイちゃんは、意地悪でセイちゃんに言ってみたのだ。まさか恐がりの弟が来るはずもない。
「何してるの? 無理だって言ったはずでしょ? いくじなしはそこで見ていな」
「言ったな~!」
「へへ~ん、来れるもんなら来てみなさい」
どうしたことか、スイちゃんはケガするかもしれないのに弟を止められなかった。逆にしつこくついてくる弟に、痛い目にあわせようかと悪い心が浮かんだのだ。
「や~っ!」
「待っ……!」
セイちゃんは飛んだ。飛び出した瞬間、スイちゃんは失敗だと分かった。濡れた靴が滑って、岩と岩の間を半分もジャンプできなかったのだ。
「セイ!」
スイちゃんが叫んだ時にはもう、弟は冷たい緑色の川に落ちていた。弟はまだ泳げないはず。
川の流れは幸いにも、ゆっくりだったし、手を伸ばせば届きそうな距離。だがチビの弟は、足が川底についていないようだった。
もう何も分からず、気づいた時にはスイちゃんも川の中だった。弟よりは泳げる。周りの人達から、悲鳴が上がった声が聞こえる。お父さんとお母さんには聞こえたのだろうか。
いや、それよりセイちゃんは……。
気がつくとまた火星だった。だってスイちゃんは宇宙服に身を包み、見渡す限りの荒野に寝そべっていたからだ。最初と違うのは、目の前に誰かが笑顔でたたずんでいたぐらいだ。
「もう起きたのかい? よかった、無事で」
しゃべりかけてくれたのは、キュリオによく似た感じの男の子だった。スイちゃんよりちょっと上の中学生ぐらいの人で、当然のように宇宙服を着ておらず、背広のような大人びた格好をしていたのだ。
「あなたは……誰?」
当然来ると思われた質問に、男の子は頭をかくような仕草で、照れ笑いをした。よく見ると肩にはカラスのような黒い鳥が乗っている。
「僕はパーシー。そしてコイツは相棒のインジェニュイティだ。よろしく」
パーシーと名乗る男の子は、金色の髪をなびかせて微笑みかけてくれた。この世の者とは思えないような美しさだった。
「間に合って本当によかった。君が倒れる時に偶然、三番目のボタンが押されたようだね。パンダロボのおかげで、息をするための酸素が切れかけたことが分かったよ。もう大丈夫だ」
パーシーは宇宙服を着たスイちゃんを、ひょいと抱き上げると、背中におんぶしてくれた。
「きゃっ!」
細い身体からは、想像もつかないほどの力持ちだ。
「よくがんばったね。ここからは僕と一緒に登山しよう。見てごらん。オリンポス山の頂上はもうすぐだ」
パーシーの言う通り、なだらかな山の上の、そのまた上の方にてっぺんが輝いて見えた。いつの間にここまで登ってきたのだろう。
「君は、太陽系で最大の山を登り切ったことになるよ」
「ありがとう、パーシー。でもスピちゃんやオポちゃん、それにキューちゃんが、どうなったのか気になるわ。みんなで私を助けてくれたの」
パーシーの背中で揺られながら、今までの登山で起こった出来事を話した。
「ははは、心配いらないよ。何なら集合をかけてみようか?」
肩にとまっていた鳥が、火星のうす暗い空に向かって飛び立つと、大きな円を描きながら綺麗な声で鳴いた。
するといつの間にか人影が一人、二人と姿を現わしたのである。
「はあ、はあ、一体どこまで登ってきたのやら……」
大きな岩は少なくなってきたが、赤い小石が散らばるなだらかな丘を、ひたすら歩いている感じだ。
「また、ひとりになっちゃった」
ため息のような言葉をこぼした時、誰も答えてはくれなかったが、確かに空耳のような声が聞こえてくる気がした。
『お~い! スイ! お~い!』
それは少し懐かしい大人の声だった。
「誰かが呼んでいる?」
『お~い! スイ~……』
それはスピちゃんやオポちゃんでも、ましてやキュリオの声でもなかった。
「ひょっとして君なの?」
スイちゃんは宇宙服の中で世話してくれる小型パンダロボットにもきいてみた。
「ワタシデハ、アリマセンヨ」
確かに機械的な音声で、似ても似つかなかった。
「スイチャン。ソレヨリ、タイヘンデス」
少しずつ息が苦しくなってきた。宇宙服の中の酸素の量が急激に少なくなってきたのだ。
「どうしよう、息ができないよ。それにブザーの音が耳元でうるさくて変になりそう!」
「ガンバッテクダサイ! イソイデ、タスケヲヨビマショウ!」
パンダロボの言う通り、スイちゃんは腕についている三番目の赤いボタンを押そうとした。だけど、だんだん目の前が真っ暗になってきて、声も音も聞こえなくなってきたのだ。
「いやだ、火星でひとりぼっちなんて……。スピちゃん! オポちゃん! キュリオ!
お母さん、お父さん……」
最期に聞こえてきたのは、パンダロボの励ます声だけだった……。スイちゃんは、オリンポス山の赤茶けた岩と砂だらけの坂道に眠るように倒れてしまったのだ。
急に明るさを感じて見回すと、そこは地球だった。だって辺りは、森と山に囲まれたキャンプ場なのだから。
「ここにある川の近くで、キャンプしたんだっけ……」
スイちゃんは、すぐに分かった。ここは、夏休みの思い出にある世界。
お父さんとお母さん、それに六歳離れた弟のセイちゃんと家族でキャンプに来ていたのだ。
お母さんは、弟につきっきり。
「セイちゃん、セイちゃん、おトイレは大丈夫? もう、世話の焼ける子ね! お姉ちゃんはお皿の用意をしておいてね。私はセイと一緒に、ちょっと行ってくるわ!」
「は~い……」
スイちゃんは、お母さんとしゃべりながら、ニンジンやジャガイモを切ってカレーを作りたかったのに。
お父さんも、口にするのはセイのことばかり。
「ははは、セイはキャンプをするのは、初めてだったな。テントで寝るのは楽しいだろう。さあ、炭に火をつけるのを手伝ってくれ」
弟は嬉しそうに手を真っ黒にしながら、コンロに炭を放りこんでいた。
「私なら、うまく火をつけることもできるのに……」
スイちゃんは家族でバーベキューをする時の火起こし係だったのだ。
楽しいはずのキャンプも、主役はセイちゃん。
「セイ、虫刺されに気をつけて」
「セイ、暑くないかい? 水ならここにあるから飲みなさい」
結局、今日は一度もスイちゃんの名前を呼ばれなかったような気がする。
カレーができるまでの間、スイちゃんは川の様子を見に行こうとした。川には多くの家族連れが来ており、それぞれが楽しそうに水遊びをしていたのだ。
「お姉ちゃん、僕も連れてって」
「え~! セイはいやだ。まだ小さいもん。危ないし、置いて行く!」
「やだやだ、一緒に行くの~!」
セイちゃんは泣きまねしてまで、川へ行こうとした。
「もう! お父さんやお母さんと一緒にいなよ!」
それなのにスイちゃんは怒られた。お姉ちゃんが連れて行きなさいと。小さい子をひとりにするのは危ないと。だったらお父さんか、お母さんが川まで連れて行けばいいのに。
泣きまね上手のセイちゃんは、スイちゃんの袖を掴んだ。そして嬉しそうに、ゴロゴロとした石の上をつまずきながら歩き始めた。
「ちょっと、そんなに服を引っ張らないでよ!」
川の流れはおだやかで、思わず魚が泳いでいないか二人で目を凝らしたのだ。
「わっ! 冷た~い! お姉ちゃんも入ってみて」
セイちゃんは注意していたのに、気にせず靴のまま川に入った。最初は怖がって近寄らず、石を拾って川に投げていただけなのに。
そのうち慣れてきたのか、わんぱくぼうずは、どんどん川の中まで足を入れ始めたのだ。
「ばかっ! 靴がずぶ濡れじゃない! どうするのよ! お母さんに言うわよ」
「へへ~ん、いいよ。すぐに乾くから」
セイちゃんのわがままぶりに、スイちゃんは我慢できなくなってきた。
弟のことは無視して、スイちゃんはテーブルほどもある大きな岩を伝って川の真ん中まで行こうとした。
「お姉ちゃーん! 待ってよ~」
さっそく弟がわめいて、ついてこようとした。まだ小さいくせに。
「あんたには無理だよ。そこで見ていな」
テントのお父さんとお母さんを見ると、二人で何かを話しているようで、来てくれそうもなかった。
「もう、どうなっても知らないよ」
一つ目の岩は、弟でも簡単に飛び越した。二つ目も両手をついたが、何とかジャンプできた。ギリギリかもしれない。だが、三つ目の岩はどう考えても無理だった。六年生のスイちゃんが本気を出して、やっと水に濡れずにすむ距離だったのだ。
「さあ、来てみなよ」
スイちゃんは、意地悪でセイちゃんに言ってみたのだ。まさか恐がりの弟が来るはずもない。
「何してるの? 無理だって言ったはずでしょ? いくじなしはそこで見ていな」
「言ったな~!」
「へへ~ん、来れるもんなら来てみなさい」
どうしたことか、スイちゃんはケガするかもしれないのに弟を止められなかった。逆にしつこくついてくる弟に、痛い目にあわせようかと悪い心が浮かんだのだ。
「や~っ!」
「待っ……!」
セイちゃんは飛んだ。飛び出した瞬間、スイちゃんは失敗だと分かった。濡れた靴が滑って、岩と岩の間を半分もジャンプできなかったのだ。
「セイ!」
スイちゃんが叫んだ時にはもう、弟は冷たい緑色の川に落ちていた。弟はまだ泳げないはず。
川の流れは幸いにも、ゆっくりだったし、手を伸ばせば届きそうな距離。だがチビの弟は、足が川底についていないようだった。
もう何も分からず、気づいた時にはスイちゃんも川の中だった。弟よりは泳げる。周りの人達から、悲鳴が上がった声が聞こえる。お父さんとお母さんには聞こえたのだろうか。
いや、それよりセイちゃんは……。
気がつくとまた火星だった。だってスイちゃんは宇宙服に身を包み、見渡す限りの荒野に寝そべっていたからだ。最初と違うのは、目の前に誰かが笑顔でたたずんでいたぐらいだ。
「もう起きたのかい? よかった、無事で」
しゃべりかけてくれたのは、キュリオによく似た感じの男の子だった。スイちゃんよりちょっと上の中学生ぐらいの人で、当然のように宇宙服を着ておらず、背広のような大人びた格好をしていたのだ。
「あなたは……誰?」
当然来ると思われた質問に、男の子は頭をかくような仕草で、照れ笑いをした。よく見ると肩にはカラスのような黒い鳥が乗っている。
「僕はパーシー。そしてコイツは相棒のインジェニュイティだ。よろしく」
パーシーと名乗る男の子は、金色の髪をなびかせて微笑みかけてくれた。この世の者とは思えないような美しさだった。
「間に合って本当によかった。君が倒れる時に偶然、三番目のボタンが押されたようだね。パンダロボのおかげで、息をするための酸素が切れかけたことが分かったよ。もう大丈夫だ」
パーシーは宇宙服を着たスイちゃんを、ひょいと抱き上げると、背中におんぶしてくれた。
「きゃっ!」
細い身体からは、想像もつかないほどの力持ちだ。
「よくがんばったね。ここからは僕と一緒に登山しよう。見てごらん。オリンポス山の頂上はもうすぐだ」
パーシーの言う通り、なだらかな山の上の、そのまた上の方にてっぺんが輝いて見えた。いつの間にここまで登ってきたのだろう。
「君は、太陽系で最大の山を登り切ったことになるよ」
「ありがとう、パーシー。でもスピちゃんやオポちゃん、それにキューちゃんが、どうなったのか気になるわ。みんなで私を助けてくれたの」
パーシーの背中で揺られながら、今までの登山で起こった出来事を話した。
「ははは、心配いらないよ。何なら集合をかけてみようか?」
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