【完】ロリコンエロ親父(法務部長)から、ヘソ曲がりのおヘソを探されることになった※ロリコンではありません

7

7-52

「良い言葉だな・・・。
樹里の言葉？」



「違う。夏生のイメージ。」




うちの会社の等身大である夏生の姿を思い浮かべる。




「夏生は、風が吹くのを待たない。
風を感じるわけでも風を切ってるわけでもない。
夏生は、“風を作る”。」



「たしかに、夏生が現れる瞬間・・・いつも不思議と風が吹くように感じるな。
あいつはずっと中学から大学でバスケ部の、しかも強豪校のキャプテンだったから、ある意味風を起こす存在なのかもな。」




陸がまたスマホの画面を見て、口を開いた。




「“それでも、諦めない”。
それでも諦めなかった時、チャンスが訪れるかもしれないが・・・“KONDO”は、違う。」



「そう、うちの会社は“攻める”。」



「チャンスは待つものじゃなく、“KONDO”はチャンスを“作る”ような会社だからな。」




樹里は頷きながら、陸を見上げる。




「そんな夏生が身に付ける物を、うちの会社が“創る”。」



「そうだな・・・。
まさに、“風を作り 風を創る”だな。」




陸がスマホの画面を操作し、樹里に見せた。
そのページは、樹里の3つ目の仕事のサービス紹介ページ。
チアリーディングの格好で、樹里が“心の文字”を込めている時の写真が載っている。




「母さんの名前、載せてくれてるんだな。
俺も母さんも気付かなくて、最近申し込みがあった生徒から聞いたらしい。」



「当たり前じゃん。
樹里に書道を教えてくれてのは、莉々子ちゃんなんだから。」



「返してもらってるって言ってた。
樹里が小学生の時、100円で教えていた分・・・溢れるくらい返して貰ってるって。」




そう言ってから陸がスマホをポケットに戻し、樹里の手を引き歩き始めた。




「次の土曜日、また女の子の格好でデートしような！」



「それなんだけど、もう止めようと思う。」



「なんでだよ・・・？」



「家に帰ってから、陸・・・そればっかりになるし。」



「樹里も喜んでるだろ？」



「全然喜んでないから。」




陸を睨みながら言うと、陸が面白そうに笑って・・・










「ヘソ曲がり。」








と・・・。








久しぶりに聞いたその言葉に固まっていると・・・








「今日は久しぶりに、ヘソ探すか！」



「え！？嫌だ！！！
あれはあれで・・・凄いから嫌だ！！」



「“グレーゾーン”攻められる俺の奥さんになったんだから、観念しろって！」











昔から、樹里のことが大好きな陸・・・









ロリコンエロ親父(法務部長)から旦那さんになったのに・・・








樹里のおヘソ探しは、これからも続いてしまうのかもしれない・・・。









「やっぱり、指輪は一生いらない！！」




「急に怒って、どうしたんだよ？」
















end........