【完】 恋した博士に名前を覚えてもらえるまで

Bu-cha

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そんな、私からすると優良物件の中・・・
4人中1人だけ、候補から除外した。



私は真ん中の方に座っていて、その男は右斜め・・・1番端、扉に1番近い席。
猫背で小さく縮こまるように座っていて、置かれているビールも1人だけ乾杯しないまま・・・一口も飲まないまま。



斜め下を向いたまま、ピクリとも動かず座っている。
ボサボサの髪の毛は毛量も多くて、ところどころ白髪が混じる。
髪の毛は全体的に長めで、前髪はやけに長い。
目も隠れてしまっているし、そこにダサイ眼鏡をかけていて、青白いくらい白い肌に無精髭が伸びている。



それに、ヨレヨレのワイシャツ・・・。
ヨレヨレなだけじゃなく、ところどころ汚れもある。



自己紹介では、名前と年齢だけをボソボソと言っていた。



四宮 一 (しのみや はじめ)、36歳。



職業も何も言わず、ただ他の男性陣からは“博士”と言われていた。



そんな男だけは除外し、私は今日も優良物件を狙う雌豹となる。



岡田幸子(さちこ)、社会人7年目の29歳。
今は6月。5月で私は29歳になった。
女としての価値は年々下がっている。



合コンでの男性陣からの扱い方が変わってきた。
最近ではお会計でお金を出すこともよくある。
それはデートでも。



それが嫌だとかそんな単純な話ではない。



私は、お金持ちと結婚がしたい。
お金持ちで安定していて、私も子どもも大切にしてくれるような男と結婚したい。



それだけ・・・。



ただ、それだけなのに・・・。



それは、凄く難しいこと。



でも、私はそんな男と結婚する。
そんな優良物件と、結婚をする。



その為に、今日も雌豹となり優良物件を狙う。
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