【完】 恋した博士に名前を覚えてもらえるまで

Bu-cha

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「社長、お帰りなさい!!」



みんな、良い笑顔と元気な声で言う。
そんな私達に、社長は嬉しそうな顔で、持っていた紙袋を見せてくる。



「お客さんからお菓子貰ったから、みんなで食べなさい。」



「やった!ミキパパ、大好きー!!」



と、入社2年目の後輩が紙袋を両手で受け取り・・・胸に抱き締めた。
そんないつもの光景を見ながら、みんなで笑う。



社長・・・近藤幹生(みきお)社長、その社長が手土産を持ってきてくれた時、秘書課では“ミキパパ”と呼ぶ。



たまに、本当にたまにだけど、お金を課長に渡してくれ、みんなでご飯を食べに行ったりもする。
そんな時は“ミキパパ”にお礼として、帰りにちょっとしたプレゼントをみんなで選ぶ。



“KONDO”の他の社員は、知らない。



“KONDO”の秘書課は、ただの会社の部署ではない。
優良物件を常に狙っている、ただの雌豹の群れではない。



“KONDO”の秘書課は、“家族”。



“ミキパパ”がくれた手土産を、入社2年目の後輩が嬉しそうに開け、それを1つずつみんなに配っていく。



課長が“ミキパパ”と何かを話していて・・・左手の甲を見せ、婚約指輪を嬉しそうな顔で見せている。
あの人は、“秘書課”の“お母さん”。



そして、私は・・・



「はい、1番上のお姉ちゃん!」



そう言って、入社2年目の後輩・・・末っ子が私にお菓子を渡してくれる。
それにお礼を言って、笑い掛ける。




“KONDO”の秘書課は、“家族”・・・。




複雑な家庭で育った私達の、もう1つの、“家族”・・・。
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