【完】 恋した博士に名前を覚えてもらえるまで

Bu-cha

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一人暮らしをしている部屋に、逃げるように帰って来た。



泣きながら、帰って来た・・・。



泣きながら帰って来て、ベッドに寝ているクマのぬいぐるみを勢いよく持ち上げ・・・



勢いよく、持ち上げ・・・



持ち上げて・・・



抱き締めた・・・。



優しく、抱き締めた・・・。



優しく、優しく、抱き締めた・・・。



“はじめ”さんが・・・“イチ”が、落としてくれたクマのぬいぐるみ・・・。



1回で、たった1回で落としてくれた、クマのぬいぐるみ・・・。



なんだか、赤ちゃんくらいの大きさに思えて・・・



このクマのぬいぐるみを、あの日から毎日優しく抱き締めていた・・。




優しく、優しく、抱き締めていた・・・。




私は、ずっと“イチ”と結婚したかった・・・。




でも、“イチ”は私を彼女として認めてくれなかった・・・。




認めてくれなかった・・・。




そして、“はじめ”さんも・・・。




どう見ても“イチ”には見えなかった“はじめ”さんも・・・




私を彼女として、認めてくれなかった・・・。




この世に生まれた時から、1番認めて欲しかった男の人には認めて貰えず・・・




ずっと、ずっと、大好きだった男の人にも、認めて貰えなかった・・・。




クマのぬいぐるみを、少しだけ強く抱き締める。





私は、“イチ”と結婚して・・・





“イチ”との赤ちゃんが、欲しかった・・・。





お金なんてなくても、私と子どもを大切にしてくれなくても・・・





私は“イチ”と結婚して・・・





“イチ”との赤ちゃんが、欲しかった・・・。
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