【完】 恋した博士に名前を覚えてもらえるまで

Bu-cha

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「本当に、ありがとうございました。」



ボロッボロのアパートの前でタクシーを降り、先輩にお礼を伝える。



「先輩もタクシー降りて・・・よかったんですか?」



「電車で帰るから大丈夫!!
まだ遅くないから!!」



先輩が笑いながら歩き出そうとして・・・



「あ、具合悪くなって何かあるかもしれないし、連絡先交換しておこうか。
何かあったら、気軽に連絡して?」



そう言いながらスマホを取り出していて・・・
それを見ながら苦笑いをする。



「ごめんなさい、私持っていなくて。
1回目のお給料で買おうと思っているので・・・そしたら、交換してください。」



驚かれるかと思ったら、予想外に先輩は優しい顔で笑い・・・頷いた。
そして、後ろにあるボロッボロのアパートを見る。




「私も、最初のお給料でスマホを買った。
うちは・・・借金まみれだったから。」




その話に驚いていると、先輩が面白そうに笑う。




「秘書課のメンバーって、なんでか家庭環境が・・・複雑っていうか、そういう人達ばっかりで。」




「そうなんですか・・・。」




「何でも言って。
みんな、本当に家族だと思ってる。
楽しいことも、困ったことも、悲しいことも、何でも言って。」




そんな嬉しいことを言ってくれ、少しだけ泣きそうになる。




少しだけ泣きそうになった時・・・





「ミツ?」





イチが、アパートに帰って来た。
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