【完】 恋した博士に名前を覚えてもらえるまで

Bu-cha

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その“満月”を見上げながら・・・



見上げながら・・・



思い出した・・・。



名前は思い出せないけど・・・



“満”という文字だけが、文字の響きだけが、頭に残っていた・・・。



でも、“満月”の“満”ではなく、数字と似た響きだった・・・。



古語のような言葉で、名前の説明をしていた。



その数字が、思い出せない・・・。
考えられる数字を、頭の中で浮かべる・・・。



今日の日付、僕の身長や体重・・・



色々な物から数字を並べ・・・



並べ・・・



思い出した。



あの子との会話で、僕は数字を出した。



僕は、あと“2ヶ月と3日で23歳になる”。



そう、答えた・・・。



そう、答えた・・・。



そうだ、“3”だった。



あの女の子は、“3”だった。



それを思い出しながら、また“満月”を見上げる。



“満月”の“満”ではなく、“みっつ”という響きだった。



数字の“みっつ”に近い響き・・・



“ミツ”という響きだけを、思い出せた。



名前を覚えることが出来ない僕が、そこまで思い出せた。



奇跡だと、思った。



こんなこと、1回目だったから。



嬉しかった。



嬉しかった。



嬉しく思いながら、欠けているハンバーガーを見た。



僕は、欠けている。



僕は、欠けている・・・。



でも、僕には弟“も”いて・・・



そして・・・



そして・・・










「“ミツ”・・・。」






“ミツ”と、友達になれた。
こんな格好をしている僕と、“ミツ”は友達になってくれた。







欠けたハンバーガーを、持ち上げ・・・







空に浮かぶ満月と重ねた・・・。








そしたら・・・








欠けていた所が、満月と合わさり・・・








真ん丸になった・・・。








真ん丸になった・・・。







綺麗な・・・








真ん丸になった・・・。
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