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それを感じながら、私は深く深呼吸をする。
「藤岡ホールディングスの面接を担当しております、飯田と申します。
私は・・・強度近視のため眼鏡がないと歩くことも出来ません。」
ぼやけた世界の中、私は2人のぼやけた姿を見る。
「なので、このまま面接を続けさせてください。
すぐに終わりますので。」
美しい女の人が楽しそうな声で笑い、返事をしてくれた。
それを確認してから、女の人に聞く。
「お名前を教えてください。」
「“アヤメ”です。」
それを聞き、泣きたくなった・・・。
「本名、必要ですか?」
「いりません。
それがあなたの名前です、アヤメさん。」
私が答えると、2人が無言になった。
「あなたの名前も教えてください。」
そう言って、もう1人のぼやける姿にも言う。
「あたし!?あたしは付き添いだけど!!」
「応募しませんか?今、この場で。」
「まあ・・・良いけど。」
「お名前、教えてください。」
「明(あきら)。本名も明。」
それを聞き、頷く。
そして、本題に入る。
藤岡ホールディングスでの面接。
人と接することが苦手な私が出来る、たった1つだけの面接方法。
その面接方法を、藤岡ホールディングスでもやる。
社長に頼まれたから。
私みたいな女を、社長は頼ってくれるから。
ガンガンやる。
社長が選んでくれたから。
何も出来ない私を、社長が選んでくれたから。
社長が言ってくれた通り、ガンガンやる。
私だって、冒険者だから。
私だって、演奏者だから。
ぼやける世界の中、2人のぼやけた姿を交互に見詰め・・・
姿勢を、正す・・・。
冒険を始めるから・・・
演奏を始めるから・・・。
「私に、輸血をしてください。」
私は、これから面接を始める・・・。
「藤岡ホールディングスの面接を担当しております、飯田と申します。
私は・・・強度近視のため眼鏡がないと歩くことも出来ません。」
ぼやけた世界の中、私は2人のぼやけた姿を見る。
「なので、このまま面接を続けさせてください。
すぐに終わりますので。」
美しい女の人が楽しそうな声で笑い、返事をしてくれた。
それを確認してから、女の人に聞く。
「お名前を教えてください。」
「“アヤメ”です。」
それを聞き、泣きたくなった・・・。
「本名、必要ですか?」
「いりません。
それがあなたの名前です、アヤメさん。」
私が答えると、2人が無言になった。
「あなたの名前も教えてください。」
そう言って、もう1人のぼやける姿にも言う。
「あたし!?あたしは付き添いだけど!!」
「応募しませんか?今、この場で。」
「まあ・・・良いけど。」
「お名前、教えてください。」
「明(あきら)。本名も明。」
それを聞き、頷く。
そして、本題に入る。
藤岡ホールディングスでの面接。
人と接することが苦手な私が出来る、たった1つだけの面接方法。
その面接方法を、藤岡ホールディングスでもやる。
社長に頼まれたから。
私みたいな女を、社長は頼ってくれるから。
ガンガンやる。
社長が選んでくれたから。
何も出来ない私を、社長が選んでくれたから。
社長が言ってくれた通り、ガンガンやる。
私だって、冒険者だから。
私だって、演奏者だから。
ぼやける世界の中、2人のぼやけた姿を交互に見詰め・・・
姿勢を、正す・・・。
冒険を始めるから・・・
演奏を始めるから・・・。
「私に、輸血をしてください。」
私は、これから面接を始める・・・。
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