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真知子が全部食べ終わってしばらくしてから、隣に座っている親父が真知子に話し掛けた。



「真知子ちゃん。」



その親父の声に、真知子は少し身体を震わせ・・・親父を怖がりながら見ていた。
不思議だった。
親父は人当たりが良くて、よく好かれる。
性格の悪い俺とはあんな感じなのに、親父とはこんな感じになるのが不思議だった。



「僕の奥さんのご飯は美味しいんだ。」



「そう・・・みたいですね・・・。」



真知子がそんな変な答え方をした。



「今度、家に食べにおいでよ。
日曜日なら家にいるから。」



「・・・親父!!!
変にハードル上げるなって!!
ババアの飯そんなに旨くねーから!!」



「美味しいよ、あんなに美味しいご飯を父さんは初めて食べたよ。
あ、あとね、歌が上手なんだよ。」



「それこそ嘘だろ!?
どこがだよ!!!
たまに音外したりリズム崩れてるだろ!?」



そんな親父との会話を、真知子はクスクスと笑いながら聞いていた。
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