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お兄ちゃんと友達だったオーシャンとは、あたしが中学1年生、オーシャンが高校1年生の頃から知り合いだった。



中学1年生の頃は“アヤメ”の弟4人はまだ小学生だったから、あたしが弟4人を連れて友達と遊んだり、お兄ちゃんが友達を連れて家で遊んでくれていた。



“アヤメ”は、“アヤメ”を救いだした時にたまたま手助けをしてくれた“極上に良い女”であるオバサンの協力で、私立の中学校に通っていた。



元々成績優秀だったけど勉強も大変になり、毎日は会えなくなった。
放課後は“毎日のように”会っていたけど、“毎日”は会えなくなった。



“アヤメ”が我が家に来ない時は、お兄ちゃんがよく友達を連れてきて弟4人も一緒に遊んでいた。
あたしが“アヤメ”と雷の家に行かない時はそこにあたしも。



その時からオーシャンとあたしは知り合いだった。



「“取締役”、そんなことまで話してたんだ?」



「懐かしいね、その呼び方。
社長、女社長、秘書、取締役、平社員だよね。」



「そう、“アヤメ”に“お兄ちゃん”とか呼ばせないように“社長”が咄嗟に考えたの。
うちはとにかくぐちゃぐちゃだったからね。
名前も年齢も性別も、それで9人もきょうだいがいたから。
そんな理由にして、“社長”は“アヤメ”の心を守ろうとしてた。」



「“社長”は本当に優しくて強くて良い人だからね。」



オーシャンが急にそんなことを言い出してのでそれには首を傾げた。



「オーシャン、“社長”に会ったことあったんだ?
“社長”は歳が離れてたし家にはほとんどいなかったから会ってないかと思ってた!」



「たまたま会ったことがあってね・・・。」



オーシャンは苦笑いをしてから、空を見上げた。
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