【完】ソレは、脱がさないで

Bu-cha

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「結構濡れましたね?」


私の部屋の中に入った藤澤さんにタオルを渡したものの、そのタオルを呆然と眺めるだけで受け取らなかった藤澤さん・・・
その藤澤さんの頭やワイシャツなどを私が拭いていく。


その間も、藤澤さんは俯き何も言わない。
一通り拭き、藤澤さんの肩にタオルを掛ける。


藤澤さんを見上げても、私に視線を合わせることはない。


しばらく向かい合ったまま、数分間無言に・・・



「何か、ありましたか?」



私が聞くと、藤澤さんが小さくピクリと動いた。
そして、また無言に・・・



数分間そのままでいた時、藤澤さんの口がゆっくりと開いた・・・



「花崎さんは・・・?今日、何かあった?」



「私ですか?」



「うん・・・歩いてる時、少し笑ってたから。」



「私は今日・・・嬉しいことがありましたね。」




女の子達から貰った言葉を思い出し、少しだけ笑った。
そんな私を、顔を上げた藤澤さんが見詰める・・・





「胸・・・確認させて?」




生気のない表情で、その目には希望の欠片もなく・・・静かに揺れるような熱もない。





「花崎さんの胸、確認させて・・・?」





私は、藤澤さんの顔に両手をゆっくりと伸ばす・・・。





「いいですよ。」





驚いたような藤澤さんに、私は伝える。





「その代わり、もう、絶対に下を向かないで。
それだけは、約束して。」





両手を藤澤さんの頬に添え、ちゃんと、伝えた。
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