【完】ソレは、脱がさないで

Bu-cha

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「大丈夫ですよ、喋るのが得意かどうかを見ているわけではないので。」



「何を見てるの・・・?」



「何をって・・・その人を。」



そんな、不思議なことを言われ・・・



「なんて説明すればいいか・・・」



この人も、少し悩んで・・・しばらく考え込んでいた。



「ちゃんと、見ているんです・・・。
その人を、ちゃんと・・・。
でも、どう説明したらいいか・・・。」



そう言いながら、また小さく“フッ”と笑った。



「でも、1つだけ言えることは・・・」



ローテーブルの向かいに座っていたこの人が立ち上がり、俺のすぐ近くに座った。



「ちゃんと、見せてください。」



「ちゃんと・・・見せる?」



「カッコいいことを言おうとか、誤魔化そうとか、自分を大きく見せようとか、そんなことはしないで。」



「でも、そんなことしたら・・・」



「それを、見せてください。
だって私は・・・面接官は、その日初めてその人に会うから。
ちゃんと見せてくれなければ、面接官だって見ることが出来ません。」



「それをして・・・内定貰えるのかな。」



「自分でない自分を見せてその会社に入社した方が、入社後にミスマッチが起きます。
なので、それでいいんです。」



「そんなこと、考えたこともなかった・・・」



「大丈夫です、あなたは素敵です。」




俺は驚き、この子を見る・・・。




「私はあの日、やっぱりあなたを選んでよかった。」








こんな、俺のことを・・・
フットサルがなくなった、こんな俺のことを・・・
この子はそう言って、小さく“フッ”と笑った・・・





この子の周りに、花束が出来る・・・





あの花、何ていう名前だっけ・・・。





あの花に、似ている・・・。





サッカーとフットサルしかしてこなかった俺が、花の名前なんか知っているわけがなくて・・・。





結局、分からないままだった。
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