【完】可愛くて美味しい真理姉

Bu-cha

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あの人の彼女になった“私”は、もう1人の“私”だった。
可愛く可愛くなって、武装をした“私”。



そんな“可愛い私”をあの人はすごく好きになって・・・。
とてもとても、大好きになって・・・。



騙してしまった・・・。
この詐欺のようなメイクで、騙してしまった・・・。
本当は“私”なのに・・・。
可愛くない“私”なのに・・・。



全然可愛くない、岩渕真理なのに・・・。



あの人は“可愛い私”を彼女にして・・・。



凄く好きだと・・・大好きだと、そう言って・・・。



苦しかった・・・。



痛かった・・・。



悔しかった・・・。



泣きたくなった・・・。



だって、あんなの詐欺だった・・・。
あんなの詐欺で・・・。



だから別れようと思っていた・・・。
そう思っていた・・・。
本当に思っていた・・・。



でも、言えなくて・・・。



あの人から連絡が届く度、言えなくて・・・。



だって、好きだったから・・・。



私はあの人のことが、本当に大好きだったから・・・。



苦しいけど、嬉しくて・・・。



痛いけど、嬉しくて・・・。



泣きそうだけど、嬉しくて・・・。



あの人の彼女でいることが、嬉しくて・・・。



ズルズルと付き合ってしまっていた・・・。



そしたら・・・



会った・・・。



会ってしまった・・・。



“別の私”で、会ってしまった・・・。



そして・・・



そして・・・



あの人は、あんな感じで・・・。



“別の私”に、あんな感じで・・・。



分かるわけがないのに・・・。



あの人は分かるわけがないのに・・・。



なのに、あんな感じで・・・。



勘違いであって欲しかった・・・。



彼女がいるのに・・・



あの人には“彼女”がいるのに・・・



他の女の人にああいうことをする人だと・・・出来る人だと・・・



信じたくなかった・・・。



正義の人だから・・・。



私にとって、あの人は正義の人だから・・・。



いくら“彼女”と会えていなくても・・・



別れていないなら・・・



他の女の人に、ああいうことをする人だと思いたくなかった・・・。



思いたくなかった・・・。



知りたくなかった・・・。



私自身で、知りたくはなかった・・・。
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