【完】可愛くて美味しい真理姉

Bu-cha

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そしたら、和君が無言になった・・・。



無言になって・・・



しばらく無言になって・・・。



心臓の音がやけに耳にまで聞こえてきて・・・。



ドッドッドッ────と心臓が壊れそうになるくらい暴れている・・・。



そんな中、和君のお母さんが写真を撮り終えて・・・



そしたら和君が・・・



和君が・・・



「ありがとう!」



と、言った・・・。



だから、待った・・・。



その続きを待った・・・。



続きがあるのだと、待った・・・。



そしたら・・・



そしたら・・・



「何処かでばったり会ったら声を掛けるからな!!」



と、言った・・・。



そう言った・・・。



そして・・・



「岩渕さんも俺とばったり会ったら声を掛けろよ!!」



そう言って・・・



明るい笑顔で笑っていた・・・。



何もなかった・・・。



私にも続きはなかった・・・。



それはそうだった・・・。



よく考えたらそうだった・・・。



和君は正義の人だから・・・。



だから、見逃せなかったのだと思う・・・。



1年生になってすぐにお母さんが死んでしまって、泣いてばかりいた私を・・・。



そしてクラスの女の子達から無視をされたり酷いことを言われている私を・・・。



正義だった・・・。



正義だった・・・。



正義の為に・・・



和君は私と仲良くしてくれていた・・・。



勘違いしていた・・・。



私は勘違いして・・・



和君のことを好きになってしまって・・・



告白なんてことをしてしまった・・・。



「今度会った時にスマホ持ってたら、連絡先教えろよ!!」



“今度”は信用出来ない言葉・・・。



和君がそう言っていたのに・・・。



“今度”と言った・・・。



確かに“今度”は・・・



悲しい響きに聞こえた・・・。



「うん・・・“今度”、ばったり会えたら・・・。」



でも・・・



少しだけ望みを掛けて・・・。



その“今度”に少しだけ望みを掛けて・・・。



そう言って、和君を見上げて笑い掛けた・・・。



涙が流れていたけど・・・



笑い掛けた・・・。
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