【完】可愛くて美味しい真理姉

Bu-cha

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私は咄嗟に物陰に隠れた・・・。
物陰に隠れながらも和君を見た・・・。



ここ半年程、和君のことをたまに見掛けるようになった・・・。



今日も和君は沢山の男子や女子に囲まれて歩いている・・・。
男子も女子もみんな垢抜けている感じで・・・。



中でも1番可愛い顔の女の子が和君の隣にいつもいた・・・。
いつもいつも・・・あの可愛い顔の女の子が和君の隣に並んでいた・・・。



声なんて掛けられるわけがなかった・・・。



ばったり会えても、私には声なんて掛けられるわけがなかった・・・。



中学に入ってからお父さんにスマホを買って貰ったのに・・・。



“今度”があるかもしれないから、スマホを買って貰っていたのに・・・。



声なんて掛けられない・・・。



こんな格好で・・・。



こんな可愛くない私が・・・。



こんな汚い顔にもなった私が・・・。



声なんて掛けられるわけがなかった・・・。




“女の子はいつでも可愛くいるんだよ。
いつ好きな人とばったり会えるか分からないでしょ?”




お母さんがよく言っていた言葉を思い浮かべる・・・。




お母さんの言うとおりだった・・・。




お母さんの言うとおり、女の子はいつでも可愛くいないと・・・。




いつ好きな人とばったり会えるか分からないから・・・。




「どうやって可愛くなるんだろう・・・。」




桃子さんが一緒に皮膚科に通ってくれているけれど、私の顔は汚かった・・・。
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