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2週間後、日曜日・・・。
「破壊力抜群~!!!」
理子がカメラを回しながら、お母さんの薄いピンク色のドレッサーに座る私の横でそう声を上げた。
私は理子に笑い掛けた後にゆっくりと立ち上がり、部屋にある全身鏡の前に立った。
全身鏡には・・・
美しく、そして“可愛い私”が映っていた・・・。
豪華に刺繍されている、少し光沢のあるローズベージュのソフトマーメイドドレス。
後れ毛などは出さず、前髪だけはセンターで分け左右に流し、その他は全てアップにして私の顔を出した。
艶のあるBBクリームを薄く塗り、ベビーパウダーで少しだけ整え、その後に艶のあるミネラルファンデーションをふんわりとのせた。
これが華やかな艶が出て、そして全く崩れない。
そのうえ、このまま12時間外出していても肌荒れしなかった私の舞踏会用のベースメイク。
目も大きく印象的に、鼻や他の箇所にも凹凸が出来るようメイクしてある。
でも・・・
「今回、ソバカスは隠さなかったんだ?」
理子にそう聞かれ、私は全身鏡を見ながら頷いた。
「今日は、舞踏会だからね・・・。
全員が全員、完璧に美しく・・・可愛くしてくる・・・。」
そこまで言ってから、カメラを片手に持つ理子の方を向いた。
「この大嫌いなソバカスが、今日は私の“正義”になる・・・。」
「ソバカスが?」
「私は詐欺メイクをしたとしても、目を引くくらいの美しさも可愛さもないから・・・。
あるのはこのソバカスくらい・・・。」
私がそう言うと、理子が私の顔にカメラを少し近付けてきた。
そのカメラに向かって少しだけ笑い掛ける・・・。
「忘れ物も落とし物もしない・・・。
でも、このソバカスが・・・少しだけでも“私”を強く印象付けられるように・・・。
和君の記憶に・・・少しだけでも、残るように・・・。」
.
「破壊力抜群~!!!」
理子がカメラを回しながら、お母さんの薄いピンク色のドレッサーに座る私の横でそう声を上げた。
私は理子に笑い掛けた後にゆっくりと立ち上がり、部屋にある全身鏡の前に立った。
全身鏡には・・・
美しく、そして“可愛い私”が映っていた・・・。
豪華に刺繍されている、少し光沢のあるローズベージュのソフトマーメイドドレス。
後れ毛などは出さず、前髪だけはセンターで分け左右に流し、その他は全てアップにして私の顔を出した。
艶のあるBBクリームを薄く塗り、ベビーパウダーで少しだけ整え、その後に艶のあるミネラルファンデーションをふんわりとのせた。
これが華やかな艶が出て、そして全く崩れない。
そのうえ、このまま12時間外出していても肌荒れしなかった私の舞踏会用のベースメイク。
目も大きく印象的に、鼻や他の箇所にも凹凸が出来るようメイクしてある。
でも・・・
「今回、ソバカスは隠さなかったんだ?」
理子にそう聞かれ、私は全身鏡を見ながら頷いた。
「今日は、舞踏会だからね・・・。
全員が全員、完璧に美しく・・・可愛くしてくる・・・。」
そこまで言ってから、カメラを片手に持つ理子の方を向いた。
「この大嫌いなソバカスが、今日は私の“正義”になる・・・。」
「ソバカスが?」
「私は詐欺メイクをしたとしても、目を引くくらいの美しさも可愛さもないから・・・。
あるのはこのソバカスくらい・・・。」
私がそう言うと、理子が私の顔にカメラを少し近付けてきた。
そのカメラに向かって少しだけ笑い掛ける・・・。
「忘れ物も落とし物もしない・・・。
でも、このソバカスが・・・少しだけでも“私”を強く印象付けられるように・・・。
和君の記憶に・・・少しだけでも、残るように・・・。」
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