【完】可愛くて美味しい真理姉

Bu-cha

文字の大きさ
上 下
186 / 280
10

10-17

しおりを挟む
その言葉に思わず顔を上げてしまった・・・。
そしたら、見えた・・・。



和雄君が熱い眼差しで・・・でも、苦しそうな顔で私を見詰めているのが・・・。



そして・・・



「これから先、何があっても絶対に真理から離れないで、信用出来る男になるから・・・。
“彼氏”でいさせて・・・。
真理の“彼氏”でいさせて・・・。」



そんな・・・



そんなことを、言ってきて・・・。



「すげー好きなんだよ、真理のこと・・・。
また連絡するから・・・何度でも連絡するから・・・終わらせないで・・・。
頼むから・・・俺達の関係・・・終わらせないで・・・。」



そう言ってきた和雄君の目からは・・・



熱い目からは・・・



涙が、ポロッと・・・流れた・・・。



その涙が・・・



やけに輝いて見えて・・・。



舞踏会で見たどんな料理よりも・・・



どんなドレスよりも・・・



どんなメイクよりも・・・



きっと、“あのガラスの靴”よりも輝いて見えてしまって・・・



“私”には、そう見えてしまって・・・



和雄君の顔を見詰めながら、小さく笑った・・・。



「また“今度”ね。」



信用出来ない“今度”と伝えたら・・・



和雄君が怖いくらい真剣な顔で私のことを見詰め・・・



小さく、頷いた・・・。





.
しおりを挟む

処理中です...